卵・乳不使用でもおいしい！「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」

「健康を意識しながらスイーツも楽しみたい」

そんな願いを叶えるのが、BEYOND FREEの「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」シリーズです。このケーキの特徴は、卵・乳を使っていないこと。それにもかかわらず、ふんわりとした口どけのよい生地となめらかなクリームが一体となった、通常のロールケーキと変わらないおいしさを楽しめます。フレーバー展開は、プレーン、チョコ、アールグレイの3種類。どれも人気が高く、シリーズを通してBEYOND FREE全商品の中で売り上げ上位に位置する商品です。

なぜここまで人気になったのか、このおいしさを実現できたのか。「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」を支える開発チームの想いと製造へのこだわりを、インタビューを交えてご紹介します。

「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」開発インタビュー

◎プロフィール情報

商品開発部　水野さん

今回インタビューに答えてくれたのは、テーブルマーク 商品開発 ベーカリーデザート担当の水野さんです。

「食べたいものを誰もが自由においしく楽しめる社会を実現する」をミッションに誕生したBEYOND FREE。商品開発を進めていく中で、「食物アレルギーをお持ちの方にとって、デザート、特にクリームを使ったケーキは『食べたくても食べられないもの』なのだと気づきました」と水野さん。

「業務用デザートで培ったテーブルマークの技術を集結させれば、おいしさを我慢することなく、原材料に卵・乳を使用しないケーキをきっと作れるはず！」という想いのもと、商品開発はスタートしました。さまざまな課題を乗り越えて商品化に至ったストーリーを詳しく紹介します。

どんな人でも楽しめるおいしさを求めて。「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」誕生背景

━━乳・卵不使用のお菓子開発の原点となった市場ニーズや課題はなんでしょうか？

アレルゲン 乳・卵不使用のお菓子は、市販品を買うのではなく手作りされることが多いと聞きます。その上でさらにリサーチを進めたところ、「毎回手作りするのは大変」「おいしさに納得ができない」といった生活者の本音がわかりました。

開発スタートにあたり、プラントベースのケーキの市場調査としてさまざまなケーキの試食を行いました。その中で感じたのは、卵を使用した通常のスポンジ生地と比べると、やはり「おいしくない」ものが多いこと。具体的には粉っぽさやざらざらした舌触り、ねちょっとした食感などが気になったポイントです。卵を使ってないので仕方がないのですが、「仕方がない」で済ませては、BEYOND FREEを立ち上げた意味がありません。誰が食べてもおいしいと思えるふんわりとした食感、柔らかさ、くちどけ感を絶対実現しようと思い至りました。

卵を使わずに作るスポンジ生地のチャレンジ

━━今回のロールケーキ開発で特に課題になったことや、一番のチャレンジはなんですか？

卵は、一般的にケーキ作りには欠かせない材料です。それらを使わずに、いかに「誰もがおいしいと思えるものを作るか」が最大の課題でした。

例えば、スポンジ生地部分のおいしさに直結するのは、生地のふんわりとした柔らかさですが、これは卵の特性により成り立っているところが大きいです。メレンゲのようにしっかりと泡立ち、熱を加えるとふくらみ、そして焼いた後も柔らかいままの質感を維持する。卵以外で、これらの特性を備える原材料を見つけることは困難で、生地部分だけでも研究開始から丸2年、試作は100回以上を重ねました。

━━開発チームが諦めずに試作を重ねたことで商品化に至ったのですね。

はい。しかし、技術を開発しても製品化にはハードルがありました。開発チームのレシピを製造現場で試した際、同じスポンジ生地を再現できなかったのです。一番の理由は、使用するミキサーの違いでした。製造用の大きなミキサーでは回転速度が十分に上がらず、生地がうまく泡立たなかったのです。

また、卵を使用しない生地において、メレンゲのような泡立ちをもたせたまま焼き上げるにはスピードが欠かせません。大量生産する工場で、スピード感を持って作業を進めるのは簡単なことではありませんが、生地の混合以降焼き上げまでをできる限り時間をかけずにスピーディーに進められるよう調整する必要がありました。

上記を踏まえ、配合を少しずつ変えたり、プロセスの細部を練り直したりしながら、開発チームと製造チーム双方が力を合わせて、ようやく納得できるふんわり感とくちどけの良さを実現するスポンジ生地を商品化することができました。

製造現場に移してからも試行錯誤の連続でしたが、努力の甲斐あり、私たちが目指していたスポンジ生地を開発できたと思います。

クリームのこだわりは、豆乳っぽさを感じさせないこと

━━豆乳を使ったクリームでは、どのようなこだわりがありますか？

豆乳ベースのクリームは大豆特有のにおいがあります。スイーツにおける大豆特有のにおいは好き嫌いが分かれる点でもあるため、誰もがおいしいと思える味を目指す上で、豆乳らしさを抑えたいと考えました。

幸いなことに、これまでテーブルマークでは、給食や病院食などの業務用商品において卵や牛乳を使わない商品を開発しており、その際の調味技術や知見を応用して「いい意味で豆乳らしくないクリーム」を作ることができました。

おいしさも仕上がりの美しさも大切にするための工夫

━━実際の製造現場でも手作業にこだわっている工程が多いようです。それはなぜでしょうか？

ロールケーキはその名の通り、生地を巻く工程が重要です。この際、生地が割れたりくずれたりしないように繊細な作業が求められるため、全てを機械化するのは難しいのが現実です。

BEYOND FREEの「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」の生地は、卵等を使ってない分、普通のスポンジ生地よりも割れやすいです。そのため、あらかじめカットした生地をパックに丸くセッティングし、中央にクリームを充填する製造工程をとっています。柔らかいスポンジ生地をきれいに丸くパックにセッティングする作業は、人の手でしか実現できない繊細な工程のひとつです。

デザートは味だけでなく、見た目も大事だと思うんです。一つひとつ手作業で丁寧に仕上げたからこそ楽しめる滑らかで綺麗な生地表面と、たっぷりクリームのリッチ感をぜひ楽しんでいただきたいです。

━━ケーキのおいしさとして大事にしているポイントはなんでしょうか。

スポンジ生地とクリームの一体感です。この一体感とは、生地とクリームのくちどけのバランスの良さのこと。しっかりとした食べ応えのある生地に軽い口当たりのクリームだと、生地だけが口に残ってしまいます。逆もしかりで、ふわふわの生地に濃厚なクリームではアンバランスです。

食べたときに、スポンジ生地の柔らかさとクリームのくちどけの調和がとれていることが、このロールケーキのこだわりポイントです。手作業で作られる工程が多い「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」ですが、そのおかげでたくさんの従業員の目で生地やクリームの状態を確認することができ、完成度の高い商品を提供することにつながっています。

安心とおいしさを両立させたBEYOND FREEのロールケーキ

━━とことんこだわった「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」。実際に食べたお客様からの声で嬉しかったことや印象に残っていることがあれば教えてください。

嬉しいお言葉をいろいろといただきますが、特に、卵・乳などのアレルギーをお持ちの方から「ケーキが食べられて本当にうれしい！」という声が届いたときは、この仕事をしていて良かったと心から思いました。

印象的だったのは、以前は卵や乳製品を使用したケーキを楽しんでいたものの、アレルギー症状が出るようになり食べられなくなったという方からの言葉です。その方が「これ、本当に卵も乳も使ってないの！？すごい！」と驚きとともに喜んでくださったときは、私たちの努力が報われたと感じました。

こうしたお客様の喜びの声は、商品作りへのさらなるモチベーションになっています。

━━商品の今後の展望や、チャレンジしたいことを教えてください。

2024年9月のリニューアルは、すでに高い評価をいただいていた本品をさらに進化させたいという想いからスタートしました。特に、驚きの声を多くいただいていたスポンジ部分については、よりふんわりとした食感と口当たりの良さを目指して改良を重ねました。さらに、原料にもこだわり、使用する米粉もより製菓に適したきめ細やかなものに見直しました。

今後も引き続きお客様の声に耳を傾けながら改良やシリーズの拡充をしたいと考えています。たとえば、家族みんなで楽しめる大きなサイズのケーキや、季節感を取り入れた限定フレーバーの展開など、新しい提案も模索していきたいです。お客さまに驚きと喜びを届けられる商品作りに、これからも挑戦していきたいと思います。

━━水野さん、インタビューのご協力をいただきありがとうございました。

食品アレルギー対応が必要な人はもちろん、健康志向の人にもおすすめしたいBEYOND FREEの「ふんわりロールケーキ豆乳クリーム仕立て」。材料や製造方法にこだわり、一つひとつ丁寧に作られている特別なロールケーキで、幸せなスイーツタイムをお楽しみください。