失敗しない!玄米の炊き方や保存方法、おいしい食べ方など

玄米の栄養価が高いと聞いて食べてみたいと思いながら「玄米は炊き方が難しいのではないか」「玄米は食べにくいのではないか」と言った不安があり、ためらっている方もいるでしょう。

 

この記事では玄米をおいしく食べられる炊き方や食べ慣れるステップ、おすすめの食べ方などを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

失敗しない!玄米の炊き方

“玄米のイメージ”

玄米を炊くのは難しいと思っている方もいますが、コツさえつかめば炊飯器や土鍋、圧力鍋などでおいしく炊けます。それぞれのコツを以下で紹介します。 

 

普通の炊飯器で炊く場合

炊飯器で炊く場合は玄米モードがおすすめです。何度も水を替えながら水に濁りがなくなるまでしっかりと研ぎましょう。玄米の表面に少し傷が付くようにこすり洗いすると水を吸収しやすくなります。


研いだ後は最低でも2時間以上、できれば半日浸水すると良いですが、炊飯器によっておすすめの浸水時間が設定されている場合はそれに従ってください。炊飯時間に浸水時間が含まれている炊飯器もあります。夏場は冷蔵庫に入れて浸水させると水の変質や悪臭を防げます。


炊く時は浸水した水は捨て、新しい水を入れます。水の量は白米より少し多めですが、炊飯器の目盛りに合わせると良いでしょう。水を多めにすると柔らかめに、少なめにすると硬めに炊き上がります。


また玄米1合に対し塩1〜2gを入れて炊くと玄米の臭みが抑えられ甘味が引き立って食べやすくなる上に、柔らかく炊けます。炊き上がったらさっくりと混ぜて蒸気を飛ばしてください。


炊飯器に玄米モードがない場合は、水を取り換えながら半日以上、浸水してください。水の量は1合で250cc程度です。塩1〜2gを入れて通常の炊飯モードで炊き、炊き上がったら蒸らし時間を10分間取ってください。その後さっくりと混ぜます。

 

土鍋で炊く場合

土鍋で炊く時の研ぎ方は上と同じです。ただし浸水時間を長めに取りましょう。最低でも6~7時間、できれば半日浸水させてください。


浸水後、水を替えて炊きます。水の量は玄米1合につき250cc、3合なら750cc、塩の量は玄米1合につき2〜3gが目安です。


炊く時は火加減に注意しましょう。まず蓋をして中火にし、沸騰したら弱火にして25~30分炊きます。沸騰したか確認するために途中で蓋を開けても大丈夫です。蓋を開けてみて水分が無くなっていたら、そのまま強火で1分弱加熱してから火を止めます。蓋をして約10分蒸らしてください。蒸らした後、全体を軽く混ぜ合わせましょう。

 

圧力鍋で炊く場合

圧力鍋で炊くと玄米もモチモチに炊き上がります。


研ぎ方と浸水時間、塩の量は土鍋と同じですが、圧力鍋の場合は水の量が異なり、1合なら200cc、3合なら600ccと、炊飯器や土鍋で炊く場合より少なくなります。これは圧力鍋が蒸気を逃がさずに炊けるためです。


玄米を圧力鍋で炊く場合は、浸水後、圧力鍋に玄米と水を入れて蓋を閉めます。最初は強火にし、沸騰してオモリが勢いよく動いたら弱火にして、さらに15分加熱してください。内圧表示ピンが下がったらオモリを傾け、蒸気をすべて逃してからオモリを外し、蓋を開けます。全体をさっくりとかき混ぜてから、ふきんなどをかぶせて蒸らしてください。

 

玄米がうまく炊けない理由と対策

“玄米のイメージ”

玄米の炊き方にはコツがあり、失敗すると芯が残ったりパサパサしたりするなど、上手に炊けない場合もあります。ここでは玄米の炊き方に失敗する理由と対策を紹介するので参考にしてください。

 

玄米の芯があるとき

浸水時間や蒸らし時間が少ないと炊けた玄米に芯が残ってしまう場合があります。また硬い炊き上がりで芯がある場合の主な原因は水量不足や玄米の量に対して炊飯鍋が大きいことです。一方、柔らかい炊き上がりなのに芯が残っている場合の主な原因は、水量が多過ぎる、玄米の量に対して炊飯鍋が小さいことが挙げられます。


対策として蒸らし時間を長くしたり、加水加熱したりする方法があります。硬い場合は玄米1合につき水15〜20gを加えて再加熱しましょう。炊飯器や鍋で再加熱したら蒸らし時間を10分ほど取ってください。電子レンジで再加熱する場合は耐熱容器に入れてラップをし、500Wで5~7分加熱が目安です。


芯がある玄米は別の料理にアレンジすると食べやすくなります。硬めに炊き上がった場合はパエリアやチャーハン、柔らかく炊き上がった場合はライスコロッケやドリアなどにアレンジしてみてください。

 

パサパサしているとき

玄米がパサパサしてしまう原因は、水の吸収が足りていないことです。もし玄米がパサパサになってしまった場合のアレンジとして、雑炊にする、サラダの具材にする、カレーのように汁気の多いおかずと合わせる、などがあります。

 

炊き上がりがパサパサにならないようにするためには、炊く前のコツがあります。まず、玄米と水の量をきちんと計量することです。それから、玄米の表面に少し傷をつけると吸水しやすくなるので、玄米を両手でこすり合わせるようにして洗う「拝み洗い」をすると良いでしょう。


また浸水時間と浸水温度も重要です。水温が高いほうが吸水しやすくなるので、浸水時間を十分に取れない場合はぬるま湯で浸水すると良いでしょう。冬場や冷水で浸水する場合や夏場など冷蔵庫で浸水する場合は、浸水時間を長くするのがおすすめです。

 

少しずつ慣れたい方におすすめ!分づき米の炊き方

“玄米のイメージ”

分づき米は玄米よりも胚芽や糠が取り除かれているので、初心者は分づき米から挑戦してみるのも良いでしょう。分づき米をおいしく炊く主なコツは「手早く研ぐ」「米を傷つけないように研ぐ」「十分に浸水時間を取る」の3つです。


研ぎ始めの水に長く浸すと糠のにおいがつきやすいため、1~2回目の水は早く捨てましょう。水が濁らなくなるまで複数回、3分以内に研ぎ終わるようにしてください。


また、お米が傷つかないように優しく研ぐことも大切です。ゴシゴシ研ぐと栄養価の高い胚芽が取れてしまいます。金属のザルは使わず、手を軽く握った状態でスピーディーに回しながらお米を対流させて洗いましょう。


それから、精白米より浸水時間を長くすることも重要です。3分づきなら約5時間、5分づきなら約3時間、7分づきなら約2時間、浸水してください。硬い食感が気になる方はひとつまみの塩を入れて炊いてみましょう。炊飯器で炊く場合は7分づき、5分づきなら白米で設定します。3分づきは玄米の設定がおすすめです。

 

分づき米とは

糠や胚芽を完全に取り除かず、ある程度残して精米した米が分づき米です。分づき米には以下の3種類があり、残っている糠や胚芽の量が異なります。


・3分づき米:約30%の糠が取り除かれ、胚芽が完全に残っている米
・5分づき米:約50%の糠が取り除かれ、胚芽がほぼ残っている米
・7分づき米:約70%の糠が取り除かれ、胚芽の一部が残っている米

 

分づき米のメリット

糠と胚芽は栄養があるため、精白米よりも分づき米、分づき米よりも玄米の方が栄養価が高いメリットがあります。白米からいきなり玄米に変えるのが難しい場合は、白米に近い7分づき米から始めると良いでしょう。7分づき米を食べ慣れたら5分づき米、3分づき米、玄米と段階を踏むことによって、無理なく玄米を食べられるようになります。


ここで、玄米と白米の主な栄養素を比較してみましょう。

 

 

玄米

精白米/うるち米

食物繊維(g)

3.0 0.5

カリウム(mg)

230 89

マグネシウム(mg)

110 23

鉄(mg)

2.1 0.8

ビタミンB1(mg)

0.41 0.08

ビタミンB6(mg)

0.45 0.12

※すべて100gの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年


このように白米よりも玄米の方が食物繊維やミネラルなど栄養価が高いことが分かります。玄米ほどではないにせよ、白米よりも分づき米の方が栄養価は高くなります。

 

玄米の保存方法

“玄米のイメージ”

玄米は白米よりも貯蔵性が高いですが、適切な方法で保存しないとカビや発芽、酸化などによって品質の劣化につながります。炊く前の玄米はジップ付きの保存袋に入れて空気との接触を遮断し、低温・低湿の場所に置きしましょう。


炊いた後の玄米は冷めない内に一食分ずつ小分けにして冷凍保存します。その際、密閉容器に入れるかラップで密封するなど可能な限り空気に触れないようにしましょう。

 

玄米のおいしい食べ方

“玄米のイメージ”

玄米の硬めの食感が苦手な場合はドライカレーやキーマカレーと合わせると食べやすくなります。また好みの野菜や豆腐などの具材と一緒に炊きこんで雑炊やリゾット風にすると、玄米のプチプチとした食感を楽しめるので、試してみてください。


玄米を使用したパンもあります。BEYOND FREE「玄米ブレッド ブルーベリー」は、熊本県産の玄米を丸ごとペーストにして丁寧に焼き上げたキューブ形のパンです。玄米のほのかな甘みとブルーベリーの甘味・香りが融合した風味豊かな味わいが特徴で、軽くトーストすると外側の生地がサクサクになり、さらにおいしく食べられます。

玄米ブレッド ブルーベリー(2個入り) – BEYOND FREE

 

玄米の炊き方のコツを押さえて、おいしく食べよう!

“玄米のある食卓イメージ”

玄米をおいしく炊くには研ぎ方、浸水時間と浸水温度、塩を少し加える、蒸らし時間などのコツがあります。また炊飯器や土鍋でも炊けますが、圧力鍋で炊くとモチモチの食感になりやすいです。

 

分づき米から挑戦したり、食べやすい料理にアレンジしたりするのもおすすめです。栄養価の高い玄米をおいしく食べられるようにひと手間かけてみてはいかがでしょうか?

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