なぜ子供は野菜が嫌い?その理由と克服する方法
「野菜のおかずを食べずに、ご飯やお菓子ばかり食べる」「緑の野菜が見えた途端、徹底的に避けようとする」子供のこのような行動に、悩む方も多いのではないでしょうか?
大切な我が子を思うからこそ、子供の野菜嫌いはどうにかしたいものですよね。そこで今回は子供が野菜を嫌う理由や、子供の野菜嫌いを克服する方法について詳しく解説します。子供の野菜嫌いに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
なぜ子供は野菜が嫌い?
まずはなぜ子供は野菜を嫌うのか、代表的な4つの理由について解説します。
においが苦手
野菜嫌いな子供の中には「野菜特有のにおいが苦手」と言う子も多く見られます。例として子供が苦手な野菜の代表格でもある、ピーマンとネギのにおいについて深堀りしてみましょう。この2つの野菜には以下のような特徴があります。
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におい成分 |
においの特徴 |
その他の特徴 |
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ピーマン |
2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン | 独特な青臭さを放つ | ・未熟よりも成熟の方が成分含有量が多く、においが強い ・サイズが大きい方が成分含有量が多い ・一方で完熟した赤ピーマンは、成分含有量が少なく、においが弱い |
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ネギ |
硫化アリル | ツンとした刺激のあるにおいを放つ | ・生のネギを刻んで細胞を破壊するとにおいを発する ・加熱調理するとにおいが軽減され甘みが増す |
においの強い野菜は、炒める、煮るなどの加熱調理をするだけで、特有のにおいが軽減されるものもあります。この他、下茹でする方法もにおいの緩和に効果的です。
食感が苦手
「野菜の食感が苦手」と言うのも、子供が野菜を嫌う代表的な理由のひとつです。特に種や皮、繊維が多い野菜や硬さのある野菜を苦手と感じる子が多いようです。
食感が苦手で野菜を食べようとしない子供には、フードプロセッサーで野菜を細かく切る、圧力鍋でしっかり煮込むなどして、野菜特有の歯触りを感じさせないような工夫をしてみましょう。
味が苦手
野菜嫌いの子供の多くは「野菜の苦味が苦手」と感じているようです。私たちの味覚は大きく5種類に分類できますが、その中でも「酸味」と「苦味」は人間が本能的に避けようとする味だと言われています。
特に緑の野菜は苦味を感じやすいものが多く、上述したピーマンやネギをはじめ、春菊や小松菜、ゴーヤやルッコラなどが代表的なものとして挙げられます。
野菜の苦味を抑えるには、加熱調理をする、下茹でをするなどの方法が効果的です。炒める際は、ごま油やオリーブオイルなど風味のある油を使用することで、油がコーディング剤の役割を果たし苦味を感じにくくなります。
見た目が苦手
大人からは美しく鮮やかに見える緑黄色野菜の彩りも、子供にとっては野菜を敬遠する理由のひとつです。
多くの子供は、野菜の見た目から「自分が食べられそうかどうか」を判断しています。そのため、色の濃い野菜を見ると反射的に口に入れるのを避けようとする傾向があるのです。
そのような子供に野菜を食べさせるには、野菜の見た目を変えたり工夫を施してみましょう。野菜をひと口サイズに切ってピックに刺したり、ハートや星の型抜き器を使って野菜をくり抜いたりするだけで、見た目の印象がかなり変わります。
ピックを使う際はカラフルなものや子供が好きなキャラクターものなどを選ぶと、より効果を得やすいでしょう。他にも本当は野菜が入っているけど入っていないと思わせるような料理にする方法も有効で、詳しくは以下で紹介しています。
子供の野菜嫌いを克服する方法

子供の野菜嫌いを克服するにはさまざまな方法がありますが、どの方法を試す場合も「子供が小さな成功体験を感じられる工夫を施す」と言うことを忘れてはいけません。
一口でも野菜を食べられたらしっかりと子供を褒めて、「自分は野菜が食べられたんだ」と言う成功体験を積ませてあげましょう。
短期間で子供の野菜嫌いを克服するのは難しいですが、少しずつ子供の自己肯定感や自尊心を高めていくことで、徐々に野菜を食べられるようになっていくはずです。
ここからは子供の野菜嫌いを無理なく克服するための具体的な5つの方法について紹介します。
野菜の加工品から始める
徹底的に野菜を食べようとしない子供には、野菜の加工品から始めてみると良いでしょう。具体的には野菜ジュースや野菜入りグミ、野菜入りパウンドケーキ、野菜エキスの入った味噌汁などです。
そして子供が野菜入りの食品を食べた後には、必ず「今食べたものには野菜が入っていた」と言う事実を伝えます。すると、たとえ加工品であっても「野菜を食べられた」と言う事実が子供の成功体験の第一歩となり、子供の自信につながり、次のステップに進めるでしょう。
自分で作る・手伝う
子供の野菜嫌いを克服するには、子供に調理を手伝ってもらう方法も効果的です。
実際に野菜に触れて調理する、と言う工程を経て野菜を食べることの大切さを子供自身が実感しやすくなります。まずは簡単にできるスムージーを一緒に作ったりサラダのトッピング係を任せてみたりすると良いでしょう。
さらに調理を手伝った経験と合わせて自分が作ったものを家族から「おいしかった」と褒められる経験を積めると、子供が野菜に対してポジティブなイメージを持ちやすくなります。
野菜が入っているか、分からないようなメニューにする
野菜嫌いを克服しようとするあまり、子供に無理に野菜を食べさせようとするのは避けましょう。野菜嫌いの子供に野菜を食べることを無理強いするのは、子供の心理的負担が大きくかえって逆効果です。
野菜を細かく刻む、すりおろすなどして、野菜が入っているか分からないメニューのレパートリーを広げてみましょう。例えば、みじん切りにした野菜をハンバーグやポテトサラダに入れたり、ミキサーにかけた野菜をスープに入れたりするのもおすすめです。苦味が少ない野菜を選ぶと気付かれにくくなります。
子供が野菜入りのメニューを食べることができたら、上述した通り「野菜が入っていた」と言う事実を伝えてあげましょう。子供が野菜への苦手意識を持ちにくくなります。
食事時間を楽しむ
家族みんなで食卓を囲み、子供に食事時間を楽しんでもらうことも、子供の野菜嫌いを克服する上で重要なポイントです。
大人と子供でメニューが違っていたとしても、大人が「この野菜おいしいね」と野菜を食べる見本を見せてあげることで、子供が野菜に興味を持ちやすくなります。また「食事=楽しい時間」と言う印象を与えることで、嫌いな食材に対してもネガティブな印象を抱きにくくなるでしょう。
食事中はテレビは消す、親はスマホを触らないなどして、子供が食事に集中できるような環境作りも大切です。
自宅以外で食体験を行う
家族や友達とバーベキューやピクニックをしたり野菜の収穫体験イベントに参加したりするのも、子供の野菜嫌いを克服する上で有効な方法のひとつです。
自宅とは異なる雰囲気の中で食体験を行うと、普段は野菜を口にしない子供でも「みんながおいしそうに野菜を食べているから、自分も食べてみよう」と、野菜に対してポジティブなイメージを抱きやすくなります。
「野菜と前向きな気持ちで接することができた経験」そのものが楽しい記憶として残り、野菜への抵抗感を払拭する効果が期待できるでしょう。
野菜嫌いの子供の健康は大丈夫?

子供がほとんど野菜を口にしていなかったとしても、野菜以外の食材で発育に必要なエネルギーや栄養素を摂取できているようであれば、過度に心配する必要はありません。白米やパンからはエネルギーを、きのこ類、海藻類、果物からは食物繊維やビタミン・ミネラル補給を上手に摂りましょう。
ただし大半の子供は成長とともに少しずつ野菜を食べられるようになっていきますが、中には野菜嫌いを克服できないまま大人になってしまう方も一定数存在します。成人と幼少期の身体では日に必要な栄養素の量や質も異なるので、子供のうちから野菜を摂る食習慣をつけておくことは非常に重要です。
無理に野菜を食べさせようとするのは逆効果ですが、上述したような方法を試しながら、子供が徐々に野菜嫌いを克服できるよう工夫してみましょう。
以下の記事では、野菜不足による健康への影響や野菜の栄養について詳しく紹介しているので参考にしてください。
野菜を食べないとどうなるの?野菜不足による体調や健康への影響
野菜に含まれる栄養素とは?生・茹で・乾燥などで栄養価は変わる?
子供の野菜嫌いの理由に合わせて、対処しよう!

子供が野菜を嫌うのには何かしらの理由があり、野菜を食べないからといって無理に食べさせようとする必要はありません。
野菜ジュースや野菜入りクッキーを食べさせたり家族や友達とバーベキューを楽しんだりするだけでも、子供が野菜嫌いを克服するきっかけづくりは可能です。子供に合った方法で、少しずつ野菜と慣れ親しんでいけるようにしましょう。より手軽に毎日の食事に野菜を摂り入れたい方は、野菜をベースにした冷凍食品を活用するのもおすすめです。
例えばBEYOND FREEは素材にこだわった動物性原材料不使用*のパンやスイーツ、麺類、惣菜などの冷凍食品をお届けしています。トウモロコシとお米で作ったペンネのグラタンや、食べるスープ ミネストローネ(2種のスーパーフード入り)などは、大人も子供もおいしく食べられる一品として人気です。
野菜と上手に付き合いながら、家族みんなで楽しくおいしい食事の時間をお過ごしください。
・動物性不使用に関して
※動物性原材料とは牛肉・豚肉・鶏肉・卵・乳・はちみつなどの畜産物、魚介類を含む原材料を指します。
※原材料を細かくさかのぼった起源原料や製造工程において、一部動物性原材料が含まれる場合があります。
※動物性原材料を含む製品と製造ラインを共用しています。
参考文献
子どもの健康と野菜摂取について 独立行政法人 農畜産業振興機構 参照年月日:2025年5月27日 https://www.alic.go.jp/about-alic/index.html
第7章 ピーマンの香りに関する調査 野菜のおいしさ検討委員会 参照年月日:2025年5月27日 http://www.yasaitobunka.or.jp/oishisa/report_21/rpt21_07-05.html
野菜の健康機能(2)ネギ、玉ねぎの辛味成分~硫化アリル~ 公益社団法人 日本農業法人協会 参照年月日:2025年5月27日 https://hojin.or.jp/files/agbiz00616.pdf