低GI食品とは?ダイエットとの関連や食品一覧など

「最近よく見かける低GI食品って何?」「低GI食品がダイエットに良いって本当?」など低GI食品に関して疑問を持つ方も多いでしょう。低GI食品を活用するためには、低GI食品に関する正しい知識をもつことが重要です。

そこで今回は低GI食品の概要や健康との関連性、おすすめの食べ方などについて詳しく解説します。ぜひ参考にして理想的な食生活に活かしてください。

 

GIとは?

“サラダ”

GIとは食後の血糖値の上昇量を評価する指標でGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の略です。具体的には炭水化物を含む食品をヒトが摂取した際の、糖質の消化と吸収の度合いを表す際に用いられます。

GI値の高い食品は、生活習慣病の一種である肥満や糖尿病などへの影響が懸念されています。GIの基本的な知識を身につけておくことで、豊かで健康的な食生活を送りやすくなるでしょう。

 

低GI食品とは?

“いろいろな食品”

低GI食品とは、一般的にGI値が55以下の食品を指します。低GI食品に含まれる糖は体内に穏やかに取り込まれるため、食後も血糖値の上昇がゆるやかになりやすい点が特徴です。GI値は各食品ごとに異なり、数値の違いによって以下のように分類されます。

  • 高GI食品:70以上
  • GI食品:56〜69
  • 低GI食品:55以下

 

低GI食品は糖尿病に良いの?

“糖尿病のツール”

低GI食品と糖尿病の直接的な因果関係については、まだ研究段階である点が多いのが現状です。そのため「低GI食品は糖尿病の改善に効果的である」とは断言できません。しかし過去には「低GI食品を積極的に摂ることで糖尿病の発症リスクを抑えることができた」と言う研究報告があがっていることも事実です。

糖尿病の予防や治療には、食事療法をはじめとした血糖値のコントロールが極めて重要です。しかし血糖値をコントロールするには医学的な専門知識が必要であり、安易に低GI食品ばかりを摂れば良いというわけではありません。

糖尿病の方や糖尿病予備軍の方は、まずはかかりつけの医師に相談した上で低GI食品との適切な付き合い方を見出していくことが大切です。

 

低GI食品はダイエットに良いの?

“ダイエットと食事”

低GI食品は決してエネルギー(以下カロリー)が低い食品と言うわけではないので、カロリーの観点から見るとダイエットに効果的なわけではありません。

しかしインスリンの観点から見ると、低GI食品をダイエットに活用することには一定の効果が期待できると言えます。インスリンとは血糖値を下げる働きをもつホルモンの一種で、エネルギー源として利用されずに余ったブドウ糖を中性脂肪などとして蓄積させる働きがあるためです。

上述した通り、低GI食品は食後の血糖値の上昇が緩やかである点が大きな特徴です。うまく日々の食事に取り入れることでインスリンの分泌を節約し、余計な脂肪を蓄えにくくなるでしょう。

 

低GI食品はどれくらい食べれば良いの?

“玄米”

低GI食品をどの程度日々の食生活に取り入れるべきかは、まだ具体的な研究報告がされていません。また低GI食品の適切な摂取量はヒトによって個人差があります。

そのため低GI食品をどれくらい摂るべきか、またどのような低GI食品を選ぶべきかについては自身の血糖値の上がり具合などを見ながら、それぞれに合った形を見極めることが大切です。必要に応じて医師に相談しながら、低GI食品をうまく食生活に取り入れていきましょう。

 

GI値は状況によって変わる

上記で「低GI食品の適切な摂取量はヒトによって個人差がある」と述べましたが、食品のGI値は摂取する方の体質だけでなく、以下のような要因によっても変化します。
  • 食品の食物繊維の含有比率
  • 食材の調理・加工方法
  • 食品の組み合わせ
  • 咀嚼回数

 以下では「ご飯(白米)(GI値60〜69)」と複数の食品を組み合わせた際のGI値の変化を表にまとめました。

組み合わせる食品

ご飯(白米)のGI値

低脂肪乳

69

インスタント味噌汁

61

無糖ヨーグルト(ご飯より先に食べた時)

59


このように食品のGI値はさまざまな要因によって変化することから、低GI食品の適切な摂取量を具体的な数値として提示しにくいのです。

 

【一覧】おすすめの低GI食品

“ヨーグルト”

以下の表では各食品をGI値ごとにまとめました。低GI食品にはどのようなものがあるのか、表を参考に確認してみましょう。

GI値

食品名

高GI食品(70以上)

ブドウ糖、フランスパン、食パン、マッシュポテト、ポップコーン、ニンジン、スイカ、カボチャなど

中GI食品(56〜69)

白米、全粒粉パン、アイスクリーム、チョコレートバーなど

低GI食品(55以下)

ライ麦パン、オレンジ、ぶどう、りんご、なし、ヨーグルト(無糖)、牛乳(脂肪分3%)、ピーナッツなど


ここからは上記の表を元に低GI食品のおすすめの選び方をシーン別に解説していきます。

 

コンビニでの選び方

コンビニで低GI食品を選ぶ際は以下のポイントを押さえることが大切です。 
  • パン…小麦粉が原料のものではなく、ライ麦パンや玄米パンなどを選ぶ
  • ご飯…精白米ではなく、玄米を使ったお弁当やおにぎりを選ぶ

ただし、どの食品を選ぶ場合も具材の組み合わせや調理法などによっては上記の表とGI値に多少の差異が生じることがあります。

 

おやつの選び方

小腹が空いた時に食べるおやつには、低GI値食品に該当する無糖ヨーグルトやピーナッツを選ぶのがおすすめです。ただし無糖ヨーグルトやピーナッツは過度に摂取すると脂質が多くなりやすいので、食べ過ぎには注意しましょう。

また、ぶどうやオレンジなどの果物を選ぶのもおすすめです。以下の表では、日本糖尿病学会がすすめる果物摂取の目安量をまとめました。ぜひ参考にしてください。

食品名

1単位(g)

皮、芯を含んだ目方(g)

目安量

みかん

200 270 中2個

りんご

150 180 中1/2個

なし

200 240 大1/2個

かき

150 170 中1個

ぶどう

150 180 マスカット、巨峰などは10〜15粒

もも

200 240 大1個

キウイフルーツ

150 180 小2個

出典:農林水産省「国産果実競争力強化事業」

 

血糖値の上昇を緩やかにする食べ方

“ヨーグルト”

血糖値を気にするあまり、低GI食品ばかりを意識した食生活を送るのはあまり現実的ではありません。そこでここからは、誰でも気軽に実践できる血糖値の上昇を緩やかにする食べ方のポイントついて詳しく解説します。

 

食物繊維が多い食品を摂る

血糖値の上昇を緩やかにするには、比較的GI値が低い食物繊維が多い食品を摂るよう意識しましょう。食物繊維が豊富な食品には、以下のようなものが挙げられます。
  • 野菜類(にんじんやごぼうなど)
  • 豆類(大豆や納豆など)
  • きのこ類(まいたけやえのきなど)
  • 海藻類(昆布やわかめなど)
 

初めに野菜を食べる

たとえ食事内容が同じであっても食べる順番に気を付けるだけで、食後の血糖値の上昇が緩やかになる場合があります。特におすすめなのは、食事の一番最初に野菜を食べるという方法です。血糖値が気になる方は以下の順番で食事を摂るようにしてみましょう。
  1. 野菜
  2. 主菜(肉や魚など)
  3. 主食(白米やパンなど)

主食よりも野菜を最初に食べるようにすると食後の急激な血糖値の上昇を防ぎやすくなります。

 

単品献立を避ける

日頃の食事が単品献立になりやすい方は、1〜2品ほど副菜を追加するよう日々の献立を見直してみましょう。単品献立とは、丼やパスタ、ラーメンや菓子パンなど主食のみの献立を指します。

丼ものがメインの献立にはひじきの煮物や金平を追加したり、ラーメンがメインの献立にはザーサイやキムチを添えたりするなど、主食に合った副菜を臨機応変に追加することで、食後の血糖値を安定させやすくなるでしょう。

  

W炭水化物を避ける

炭水化物×炭水化物の組み合わせは血糖値の急激な上昇を招きやすいので、血糖値が気になる方は避けた方が無難です。例えばチャーハン×ラーメン、パスタ×パン、と言った献立はあまりおすすめできません。

特にパスタ×パンの組み合わせは「パスタはGI値があまり高くないし、付け合わせが低GI食品であるライ麦パンなどであれば問題ないのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、たとえ低GI食品であっても糖質を含む食品を多く摂ることは血糖値の上昇につながりやすいため、注意が必要です。

  

セカンドミール効果とは?

“野菜など”

セカンドミール効果とは、1度目の食事内容(ファーストミール)が、2度目の食事(セカンドミール)の後の、血糖値の上昇に影響を及ぼすという概念です。ファーストミールの食事が血糖値の急上昇を招く内容でなかった場合、セカンドミール後の血糖値も上昇しにくくなるとされています。

セカンドミール効果に基づいて考えると、一食ごとの食事内容を整えて血糖値を安定させやすくなる可能性があるでしょう。

 

低GI食品をうまく活用して、楽しい食生活を!

“大豆と大豆粉”

低GI食品をうまく活用すると、理想的な食生活を送りやすくなるでしょう。最初のうちはあまり難しく考え過ぎず、白米を玄米に変える、野菜を最初に摂るなど、手軽にできることから始めてみてはいかがでしょうか。



参考文献

4 炭水化物 厚生労働省 参照年月日:2024年9月26日 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4h.pdf

食物繊維の必要性と健康 e-ヘルスネット 厚生労働省 参照年月日:2024年9月26日 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html 

1-4 炭水化物 厚生労働省 参照年月日:2024年9月26日 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586559.pdf

e-ヘルスネット 厚生労働省 参照年月日:2024年9月26日
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary

第4回 糖尿病における栄養食事療法 厚生労働省 参照年月日:2024年9月26日 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/59/4/59_358/_pdf/-char/ja

FACT BOOK 果物と健康 六訂版 農林水産省 参照年月日:2024年9月26日 http://kudamono200.or.jp/booklet/pdf/factbook6_2.pdf

野菜から食べる「食べる順番」の効果 独立行政法人 農畜産業振興機構 参照年月日:2024年9月26日
https://www.osaka-eiyoushikai.or.jp/whats_new/pdf/wn_112.pdf

グライセミックインデックス(GI)の有用性と問題点 一般財団法人食品分析開発センターSUNATEC 参照年月日:2024年9月26日 http://www.mac.or.jp/mail/200201/02.shtml