温活とは?おすすめの食べ物や飲み物8選
「最近なんだか体が冷える」「冷えからくる不調が気になる」──そんな声をよく耳にすることがあります。冷えは放置すると体調不良の原因になるケースもあるので、多くの方の悩みの一つです。
この記事では、温活の基本的な考え方から毎日の食事に取り入れやすいおすすめの食材や飲み物を紹介します。本日から始められるので、ぜひ実践してみてください。
温活とは

温活とは、体を冷やさないように意識的に温める活動です。
近年の日本人は理想的な体温(36.5〜37度)よりも基礎体温が低く、それが理由で不調を来す方が増えています。冷暖房の使い過ぎや不規則な食生活、運動不足、ストレスなどによる自律神経の乱れなどが原因です。
温活を習慣づけることで血の巡りが整いやすくなり、内臓の働きや代謝がサポートされます。さらに健康維持だけでなく、むくみや肌の調子など日常的な不調の改善につながる可能性があるため、美容の観点からも注目されている活動です。
温活の方法

温活の方法は一つではありません。適度な運動をして筋肉を増量し基礎代謝を上げたり、マフラーや腹巻、レッグウォーマーなどの衣服を工夫して熱を逃がしにくくしたりと言った行動も体を温める活動に含まれます。
さらにシャワーだけで済ませず湯船に浸かって体を芯から温めたり、マッサージで血行を促したりエアコンの温度や風向きを調整して冷えを防いだり、と言った工夫も有効です。
このように温活の方法は多岐に渡りますが、日常生活の中で特に取り入れやすいのが「食生活の工夫」です。栄養バランスを考えながら温かい食べ物や飲み物を意識的に選ぶことで内側から体を温めるサポートができるでしょう。
ここからは温活におすすめの食べ物や飲み物を紹介していきます。
血行促進に関わる栄養素を含む食べ物5選

食事は体をつくる基本です。栄養バランスが偏ると不調につながりやすいため「これだけを食べれば良い」と考えるのではなく、普段の食事にプラスαとして取り入れましょう。ここでは血流に関わる栄養素を含む代表的な食べ物を5つ紹介します。
アーモンド
アーモンドには脂溶性であるビタミンEが含まれています。ビタミンEは血管を広げて流れをスムーズに保つ機能がある栄養素です。
温活としてアーモンドを取れる時は砕いて温かいサラダやオートミールにトッピングする、パンや焼き菓子に混ぜ込むなど加熱調理に活用するのがおすすめです。冷たいヨーグルトやサラダにそのまま加えるよりも、温かい料理に組み合わせると体を冷やすことなく取り入れられます。
またナッツ類は「スーパーフード」とも呼ばれています。スーパーフードについて詳しく知りたい場合は以下の記事も参考にしてください。
スーパーフードを一覧で紹介!栄養価や特徴など
オリーブオイル
オリーブオイルにもビタミンEが含まれており、血管の健康維持や巡りのサポートに役立つとされています。
温活に取り入れるなら、炒め物や煮込み料理の調理油として使うのがおすすめです。温かいスープやパスタの仕上げにひと回しすれば、香りと味わいを楽しみながら体を温められます。サラダに使う場合も生野菜ではなく温野菜に合わせるなど工夫すると良いでしょう。
オリーブオイルの効能や活用法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
オリーブオイルの効能は?含有する栄養素や健康的な使い方など
またオリーブオイルは地中海食でも重要な食品の一つです。地中海食については以下を参照ください。
地中海食とは?特徴や健康効果とデメリットなど
ひじき
ひじきにはα-リノレン酸やEPAと言ったオメガ3脂肪酸が含まれています。オメガ3脂肪酸は体の巡りを整える働きがある栄養素です。
ひじきを温活に取り入れる方法としては定番の煮物や炊き込みご飯、炒め物などの他、味噌汁やスープに入れる、などがあります。さらに、おからハンバーグにひじきを加えてポン酢などでいただくと、さっぱりとヘルシーな料理に。冷たいサラダや和え物に使う場合は、温かい料理と一緒に取るのがおすすめです。
ひじきを含む海藻類について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
海藻類の五大栄養素を比較!調理のコツと食べ方
チアシード
スーパーフードとして知られるチアシードには、オメガ3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸が含まれています。前述の通り、血の巡りを整える栄養素として注目されている成分です。
チアシードは水を含むと膨らむ性質があるため、スープや煮込み料理に加えると食べごたえが増します。さらに温かい料理のため温活としてもおすすめです。またパンやマフィンなどの焼き菓子に混ぜ込む食べ方もあります。冷たいヨーグルトやスムージーに合わせるよりも、温かい料理に取り入れるようにしましょう。
チアシードについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
チアシードとは?含まれている栄養と効果やアサイーとの関係性
アマニ
アマニにもオメガ3脂肪酸の一種で体内の巡りを整えるα-リノレン酸が含まれています。アマニはオイルやローストなど多種多様な形態で販売されているため、料理に使いやすいです。
アマニオイルは温かいスープや煮物の仕上げに一回しします。ローストアマニ(粉末や粒)はパンやクッキーなどに混ぜ込んだり、カボチャやさつまいもなどを使った煮物のトッピングにしたりするのがおすすめです。
アマニについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ローストアマニとは?栄養と効果、食べ方など
温活におすすめの飲み物3選

温活では食べ物だけでなく、飲み物の選び方も大切です。冷たい飲み物は体を冷やす原因になるため、できるだけ温かいものや常温のものを選ぶようにしましょう。ここでは、体を内側から温める飲み物を3つ紹介します。
白湯
水は血液の大部分を占める重要な成分です。国土交通省によると健康のためには飲み水から1日1.2Lの水分補給が推奨されています。白湯は水を温めてから冷ました飲み物で体に優しく取り入れられます。
作り方も簡単で、やかんや鍋で一度沸かした水をマグカップに注ぎ、少し冷ましてから飲むだけです。50℃程度と人肌よりも少し高い温度でゆっくりと飲むのが良いとされており、体を内側から温めてくれます。
生姜湯
生姜にはジンゲロールと言う辛味成分が含まれており、血液の巡りをサポートするとされています。生姜湯は、すりおろした生姜を熱湯に溶かし、はちみつを少し加えたものです。仕上げに片栗粉でとろみをつけると保温効果が維持できます。冷えを感じたときに手軽に作れる温活向きの飲み物です。
麦茶
カフェイン入りの飲み物は多くありますが、麦茶はノンカフェインです。カフェインの摂り過ぎは中枢神経を通じた不調につながります。自律神経の司令塔である中枢神経が乱れると自律神経にも影響が及ぶため、温活をする時はカフェインを控えるのが望ましいです。夏は冷やして飲みたくなりますが、冷たい麦茶は体を冷やすため常温や温めて飲みましょう。
温活に不向きな食べ物や飲み物

温活を効果的に行うためには、避けたい食べ物や飲み物もあります。例えば冷やして食べる料理、そうめん・冷麺・冷や汁などは体を冷やしやすく不向きです。
また、コーヒー・紅茶・緑茶などカフェインを多く含む飲み物にも注意しましょう。温活を意識する場合は冷たい料理やカフェインの多い飲み物は控えめにし、温かい料理やカフェインレスの飲み物を選びます。
食生活から温活を始めよう!

温活は特別な活動ではなく、日常のちょっとした工夫で続けられる習慣です。基礎体温の低下や冷えが気になる方は温かい料理や飲み物を選び、血流に関わる栄養素を含む食材を意識して取り入れてみましょう。
アーモンドやオリーブオイル、ひじき、チアシード、アマニと言った食べ物や白湯・生姜湯・麦茶などの飲み物は無理なく温活に役立てられるものばかりです。毎日の食生活から少しずつ工夫して、健やかで温かな暮らしを目指してみてください。
参考文献
eJIM 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 参照年月日:2025年9月10日 https://www.ejim.mhlw.go.jp/public/index.html
これからの脂質栄養と機能性食品の開発―海藻の恵みとその利用― 科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE) 参照年月日:2025年年9月10日 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/19/1/19_1_39/_pdf/-char/en
新規食用種子の機能性 愛知県立大学看護学部 参照年月日:2025年9月10日 https://scholar.googleusercontent.com/scholar?q=cache:ymaX_3lyV8QJ:scholar.google.com/
【監修者】
管理栄養士・和食ライフスタイリスト
合田 麻梨恵

大学卒業後、コンビニ商品開発を経て独立。2万件以上の予防医学に関する論文読破・発酵生産者100軒以上訪問・100名様以上の栄養指導経験を活かし、料理講師やセミナー講師、監修、書籍執筆などを行う。一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会代表理事、「中高年のための食と予防医学」の著者。