睡眠に良い食べ物は何ですか?良質な睡眠環境を整えるコツも紹介

睡眠と食事には密接な関係があるため、不眠に悩んでいる方や日中に眠気が出てしまう方は日々の食生活を見直すことも大切です。睡眠に良い食べ物の摂取により、睡眠の質を高めやすくなるでしょう。


本記事では睡眠に良いとされる食べ物を具体的に紹介します。良質な睡眠環境を整えるコツについても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

睡眠に良い食べ物は何ですか?

“目覚めの良い朝のイメージ”

食事の観点から睡眠の質を改善するには、栄養バランスの整った食事を意識することが大前提です。整った食事に、睡眠に関わる栄養素を含む食品の摂取を意識します。ここでは、睡眠に良い食べ物と含有する栄養素について紹介するので参考にしてください。

 

トリプトファンを含む食べ物

睡眠に良い食べ物のひとつとして、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンを含む食品が挙げられます。トリプトファンは神経伝達物質のセロトニンを生合成する役割があり、このセロトニンが睡眠に影響するためです。


不眠になる原因には日中のストレスなど精神的な理由も多く見られます。セロトニンには精神を安定させる働きがあるため、快適な睡眠をサポートしてくれるでしょう。


また必須アミノ酸は健康を維持する上で欠かせない成分です。しかし体内で生成ができないため食事から摂取しなければなりません。トリプトファンを含む食べ物には以下があります。それぞれのトリプトファン含有量も確認しながら日常の食生活に取り入れてみましょう。


【各食品に含まれるトリプトファン量】

・大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分無調整タイプ(ソイプロテインの原料など):1,200mg
・凍り豆腐/乾(高野豆腐):750mg
・湯葉/干し/乾:720mg
・いり大豆/黄大豆:560mg
・かぼちゃ/いり/味付け:510mg

※すべて100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

 

GABAを含む食べ物

GABAとは「γ‐アミノ酪酸」と呼ばれる天然のアミノ酸の一種で精神安定作用がある機能性成分です。日中にGABAを摂取するとで夜の睡眠の質が向上したと言う研究報告もあるため、GABAを含む食品が睡眠に良い食べ物としても注目を集めています。


GABAを食品から摂取したい方は、以下に挙げるような食べ物を日々の食事で取るよう意識してみましょう。


【各食品に含まれるGABA量】

・トマト桃太郎(果実、生):57mg
・西洋カボチャえびす(果実、生):56mg
・じゃがいも(塊茎、生):43mg
・ブドウ(生):17mg
・だいず(国産、黄大豆、乾燥):7mg
・玄米(こめ [水稲穀粒] ):3mg
・押し麦(おおむぎ):3mg

※すべて100gあたりの量
※出典:機能性成分含有量情報|農研機構公式ホームページ


また上記で挙げた玄米、大豆、トマトに含まれる栄養素については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

低GI食品とは?ダイエットとの関連や食品一覧など

大豆のたんぱく質ってすごい?含有量や種類、大豆食品や野菜などとの比較

 

グリシンを含む食べ物

グリシンはアミノ酸のひとつで、体内で合成可能な非必須アミノ酸に分類されます。睡眠に良い食べ物としてグリシンの含有食品が挙げられる理由は、以下のグリシンの働きが睡眠の質向上に関与していると研究報告があるためです。

 

・手や足などの表面血流を増加させて、睡眠と関係が深いとされる深部体温を低下させる


グリシンを含む食べ物と成分含有量は、以下の通りです。

・大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分無調整タイプ(ソイプロテインの原料など):3,600mg
・湯葉/干し/乾:2,400mg
・凍り豆腐/乾(高野豆腐):2,400mg
・小麦はいが:2,000mg
・いり大豆/青大豆:1,800mg

※すべて100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

 

睡眠の質を上げる環境づくりのコツ【食生活】

“健康食のイメージ”

睡眠の質を上げるには食生活を根本から見直すことも大切です。良質な睡眠に繋がる食生活を手に入れるには、以下に挙げる5つのポイントを意識してみましょう。

 

朝ごはんを食べて夜食を控える

7日間の朝食欠食や寝る前の夜食や間食は、就寝時間と起床時間の後退につながり睡眠の質の低下を招きます。さらに夜食・間食の取り過ぎは肥満などのリスクを高め、睡眠障害の一因となることも示されているため注意が必要です。しっかりと朝食を取り夜食を控えるよう心がける食生活が、質の良い睡眠に繋がります。

 

塩分の過剰摂取に注意する

夜中に何度も目が覚めてトイレに行きたくなる方は、塩分の摂り過ぎが原因かもしれません。日中に過剰に摂った塩分は睡眠中に体外へ排出され、塩分の過剰摂取で夜間の排尿回数が増えるためです。塩分の適度な摂取は、ぐっすり眠るためのポイントと言えるでしょう。

 

地中海食を意識する

地中海食とは魚や野菜、果物、ナッツ、豆類などを中心に構成される食事法を言います。特定の食品ではなく、地中海食の特徴でもある多様な食品を組み合わせる手法が睡眠の質に影響しているようです。


地中海食についてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。

地中海食とは?特徴や健康効果とデメリットなど

 

カフェインの摂取量・タイミングに注意

カフェインには覚醒作用があるため摂取量が増えるほど睡眠の質が低下し、中途覚醒が増えるとの報告があります。カフェインの体内での代謝速度には個人差がありますが、夕方以降に摂取すると就寝時に悪影響を及ぼす可能性が高い点は誰でも共通です。そのためカフェインの摂取量は1日400mg以下に留め、夕方以降のカフェイン摂取は控えましょう。


各飲料のカフェイン含有量目安は以下の通りです。遅い時間に以下の飲料を摂取する場合は、含有量の少ないものを選ぶようにしましょう。

 

・コーヒー:60mg
・玉露:160mg
・紅茶:30mg
・せん茶:20mg
・ウーロン茶:20mg
・エナジードリンク:32〜300mg

※すべて100mlあたりの量
※出典:厚生労働省|健康づくりのための睡眠ガイド 2023

 

アルコールの摂取量・タイミングに注意

アルコールは一時的に寝つきを促すことがありますが、睡眠後半では深い眠りを減少させ中途覚醒の増加を招きます。厚生労働省によると「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」の定義は以下の通りです。

 

・男性:1日当たりの純アルコール摂取量40g以上
・女性:1日当たりの純アルコール摂取量20g以上


また睡眠の質の低下を避けるためにも、以下に挙げるような行動には注意が必要です。


・就寝前の寝酒
・習慣的な深酒
・毎日の飲酒


上記の摂取量を上限と考え、飲酒や晩酌は睡眠に影響のない程度で楽しむようにしましょう。

 

睡眠の質を上げる環境づくりのコツ【食生活以外】

“健康なイメージ”

食生活だけでなく生活習慣全体を見直すことも睡眠の質の向上に繋がります。良質な睡眠を取るためには、以下に挙げる4つのポイントを意識してみましょう。

 

太陽の光を浴びる

日中に太陽光を浴びることも睡眠の質に関わってきます。特に重要なのは、起床後すぐにカーテンを開けて日光を取り入れる生活習慣です。朝日の強い光を浴びることで体内時計がリセットされ、睡眠と覚醒のリズムが整いやすくなるのです。朝と日中に日光を浴びると夜のメラトニン分泌量が増加し、体内時計が整い、夜間の入眠が促進されます。

 

寝室は暗く、適温に

良質な睡眠には、寝室の光や温度環境が大きく関わります。就寝前は照明を落とし、スマートフォンやタブレットなどブルーライトを発する機器を持ち込まないようにしましょう。強い光は睡眠を促すメラトニンの分泌を妨げ、睡眠と覚醒のリズムが整わず入眠のリズムを乱す原因となります。


また寝室は暑すぎても寒すぎても睡眠効率の低下を招くため、適温の維持が重要です。WHOの住環境ガイドラインによると、冬は室温を18℃以上に保つことが望ましいとされています。寝具や暖房などをうまく活用しながら、快適な入眠環境を整えてみましょう。

 

入浴は寝る1〜2時間前

ヒトの体は就寝前の深部体温の低下により入眠しやすくなり、特に高齢不眠症患者を対象にした実験では就寝1〜2時間前の入浴が効果的だったと報告があります。


就寝前の入浴により手足の血管が拡張し入浴後に起こる熱放散が促され、その結果、体温が下がりやすくなるのです。入浴はこの特性を利用して自然な入眠を促してくれます。

 

できるだけ静かな環境をつくる

睡眠中の騒音は覚醒頻度の増加や深い眠りの減少と関連していると報告されています。騒音に対する感受性には個人差がありますが、欧州WHOガイドラインの推奨は「夜間の屋外騒音: 40dB未満」です。もし就寝時にどうしても外の音が気になる場合は、以下のような対策を取ることをおすすめします。


・防音・遮光機能のあるカーテンを使用する
・寝床を窓から遠ざける

 

寝室に静かな睡眠環境をつくる工夫を凝らし、良質な睡眠環境を整えましょう。

 

生活習慣の改善で、快眠を手に入れよう!

“良質な睡眠環境のイメージ”

ぐっすりと寝て快適な朝を迎えるには、睡眠に良い食べ物を取ったり生活環境を見直したりすることが大切です。内側からのアプローチだけでなく、寝室の環境作りや入浴のタイミングなどにも気を付けることで、より睡眠の質を高めやすくなるでしょう。


今回紹介した内容も参考にしながら、まずは1日1食は睡眠に良い食べ物を取る、就寝前のスマートフォン使用時間を減らすことなどから始めて、快眠生活を手に入れてみませんか?



【参考文献】

健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~ 厚生労働省 参照年月日:2025年9月29日 https://kennet.mhlw.go.jp/home/

不眠症(睡眠障害) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 参照年月日:2025年9月29日 https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=XpsDJBKfyaGD0mIx

γ‐アミノ酪酸(GABA)について 一般財団法人食品分析開発センターSUNATEC 参照年月日:2025年9月29日 https://ssl.mac.or.jp/memberregistration/trivia.php?id=32

健康づくりのための睡眠ガイド 2023 厚生労働省  参照年月日:2025年9月29日 https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf

生活習慣調査の定義と判定基準 厚生労働省 参照年月日:2025年9月29日 https://www.nibn.go.jp/eiken/kenkounippon21/eiyouchousa/annotation_seikatsu.html

公式ホームページ 農研機構 参照年月日:2025年9月29日 https://www.naro.go.jp/

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