1日に必要な栄養素の量と摂取するコツ

「1日に必要な栄養素量は?」「栄養をバランス良く摂るコツが知りたい」など思ったことはありませんか?この記事では、エネルギーや食物繊維、ビタミンやミネラルなど栄養素の1日に必要な量や摂り方を詳しく解説します。

 

1日に必要な栄養素の摂取量は?

栄養素を考える女性”

日々の食事では、エネルギー産生栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質の他、それらの吸収や代謝をサポートするビタミン・ミネラルと言った五大栄養素をバランス良く摂ることが大切です。

1日に必要な栄養素の摂取量は、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」にて年齢・性別ごとに記載されています。今回は食事摂取基準をもとに、栄養素それぞれの必要摂取量について詳しく紹介します。

 

エネルギー産生栄養素の必要な摂取量と摂取するコツ

エネルギー産生栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)の1日に必要な目標量を年齢別・性別に分けて紹介します。

■男性


18~29歳

30~49歳

50~64歳

65~74歳

炭水化物(g)

325〜423 344〜447 331〜431 382〜431

たんぱく質(g)

85〜130 89〜138 68〜98 88〜118

脂質(g)

58〜87 61〜92 59〜88 52〜78

※平日外に出て座位中心の仕事をしたり家事・軽いスポーツなどをしている人の身体活動レベルと仮定して算出。
※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

■女性


18~29歳

30~49歳

50~64歳

65~74歳

炭水化物(g)

244〜317 256〜333 244〜317 231〜301

たんぱく質(g)

63〜98 67〜103 73〜98 69〜93

脂質(g)

43〜65 46〜68 43〜65 41〜62

※平日外に出て座位中心の仕事をしたり家事・軽いスポーツなどをしている人の身体活動レベルと仮定して算出。
※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

 

炭水化物はごはん類やいも類、小麦など「主食」に多く含まれる栄養素です。たんぱく質と脂質は肉類・魚類・卵・大豆類などに多く主に「主菜」で摂ることができます。

エネルギー産生栄養素の過剰摂取は肥満や生活習慣病につながるため、主食や主菜の食べ過ぎに注意しながら、副菜(野菜・きのこ・海藻)もバランス良く食べることが大切です。

また調理方法や肉の部位を変えるだけでも、たんぱく質や脂質の量が異なります。揚げ物や柔らかいバラ肉ばかり…ではなく、調理方法や部位もいろいろ変えてみましょう。

 

ビタミンの必要な摂取量と摂取するコツ

続いて、ビタミンの1日に必要な推奨量(*)や目安量(**)は以下の通りです。

■男性


18~29歳

30~49歳

50~64歳

65~74歳

ビタミンA(µgRAE/日)*

850 900 900 850

ビタミンD(µg/日)**

9.0 9.0 9.0 9.0

ビタミンE(mg/日)**

6.5 6.5 6.5 7.5

ビタミンK(µg/日)**

150 150 150 150

ビタミンB1(mg/日)*

1.1 1.2 1.1 1.0

ビタミンB2(mg/日)*

1.6 1.7 1.6 1.4

ナイアシン(mgNE/日)*

15 16 15 14

ビタミンB6(mg/日)*

1.5 1.5 1.5 1.4

ビタミンB12(µg/日)**

4.0 4.0 4.0 4.0

葉酸(µg/日)*

240 240 240 240

パントテン酸(mg/日)**

6 6 6 6

ビオチン(µg/日)**

50 50 50 50

ビタミンC(mg/日)*

100 100 100 100

※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

■女性


18~29歳

30~49歳

50~64歳

65~74歳

ビタミンA(µgRAE/日)*

650 700 700 700

ビタミンD(µg/日)**

9.0 9.0 9.0 9.0

ビタミンE(mg/日)**

5.0 6.0 6.0 7.0

ビタミンK(µg/日)**

150 150 150 150

ビタミンB1(mg/日)*

0.8 0.9 0.8 0.8

ビタミンB2(mg/日)*

1.2 1.2 1.2 1.1

ナイアシン(mgNE/日)*

11 12 11 11

ビタミンB6(mg/日)*

1.2 1.2 1.2 1.2

ビタミンB12(µg/日)**

4.0 4.0 4.0 4.0

葉酸(µg/日)*

240 240 240 240

パントテン酸(mg/日)**

5 5 5 5

ビオチン(µg/日)**

50 50 50 50

ビタミンC(mg/日)*

100 100 100 100

※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

 

ビタミンは大きく、脂溶性のA・D・E・Kと水溶性のB₁・B₂・B₆・B₁₂・葉酸・パントテン酸・ビオチン・ビタミンCに区別されます。肉類や魚類の他、野菜類や果実類などから摂取してバランス良く摂りましょう。

普段、野菜や果実類を食べない方は蒸した野菜を一品プラスしたり間食を果物に変えたりと工夫してみましょう。野菜は生で食べるとカサが多いので、加熱調理がおすすめです。各ビタミンの働きや効率良く摂取するコツを詳しく確認したい方は以下の記事も参考にしてください。

ビタミンの多い食べ物の種類別ランキング!摂取するコツや働きもご紹介
ビタミンをプラントベースフードでしっかり摂取するには?摂取量やおすすめ食品を紹介

 

ミネラルの必要な摂取量と摂取するコツ

各ミネラルの1日に必要な推奨量(*)、目安量(**)、目標量(***)も見ていきましょう。

■男性

 

18~29歳

30~49歳

50~64歳

65~74歳

カリウム(mg/日)***

3,000 以上 3,000 以上0 3,000 以上 3,000 以上

カルシウム(mg/日)*

800 750 750 750

マグネシウム(mg/日)*

340 380 370 350

リン(mg/日)**

1,000 1,000 1,000 1,000

鉄(mg/日)*

7.0 7.5 7.0 7.0

亜鉛(mg/日)*

9.0 9.5 9.5 9.0

銅(mg/日)*

0.8 0.9 0.9 0.8

マンガン(mg/日)**

3.5 3.5 3.5 3.5

ヨウ素(µg/日)*

140 140 140 140

セレン(µg/日)*

30 35 30 30

クロム(µg/日)**

10 10 10 10

モリブデン(µg/日)*

30 30 30 30

※ナトリウムは食塩相当量の目標量として1日男性7.5g・女性6.5g未満
※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

■女性

 

18~29歳

30~49歳

50~64歳

65~74歳

カリウム(mg/日)***

2,600 以上 2,600 以上 2,600 以上 2,600 以上

カルシウム(mg/日)*

650 650 650 650

マグネシウム(mg/日)*

280 290 290 280

リン(mg/日)**

800 800 800 800

鉄(mg/日)*

6.0 ※月経あり10.0 6.0 ※月経あり10.5 6.0 ※月経あり10.5 6.0 ※月経あり10.5

亜鉛(mg/日)*

7.5 8.0 8.0 7.5

銅(mg/日)*

0.7 0.7 0.7 0.7

マンガン(mg/日)**

3.0 3.0 3.0 3.0

ヨウ素(µg/日)*

140 140 140 140

セレン(µg/日)*

25 25 25 25

クロム(µg/日)**

10 10 10 10

モリブデン(µg/日)*

25 25 25 25

※ナトリウムは食塩相当量の目標量として1日男性7.5g・女性6.5g未満
※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

 

ミネラルは多種多様な食品に含まれており、特に魚介類や海藻類、種実類に多いです。魚介類は赤身魚・白身魚・貝類と様々な種類を使用するとミネラルをバランス良く摂取しやすくなるでしょう。

また小鉢や汁物に海藻をプラスしたりサラダやヨーグルトにナッツをトッピングしたりと少しの工夫で食事に取り入れられます。また鉄は赤身の魚や血合で効率良く摂れるのでおすすめです。

 

食物繊維の必要な摂取量と摂取するコツ

最後に、食物繊維の1日に必要な目標量を紹介します。

■男性

 

18~29歳

30~49歳

50~64歳

65~74歳

食物繊維(g/日)

20以上 22以上 22以上 21以上

※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

■女性

 

18~29歳

30~49歳

50~64歳

65~74歳

食物繊維(g/日)

18以上 18以上 18以上 18以上

※出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年版)

 

食物繊維はきのこ類や海藻類、野菜類に多く含まれています。摂取量が不足気味の日本人は1日あたり3〜4gの食物繊維を普段の食事よりプラスすることを勧められています。

食物繊維の摂取量を増やすなら、主食の白米を雑穀ごはんや麦ごはん、玄米に置き換えたり副菜でこんにゃくやきくらげなどを積極的に取り入れたりするのがおすすめです。

食物繊維について詳しく知りたい方は下記の記事もチェックしてみましょう。
食物繊維の水溶性と不溶性の違いとは?食品に含まれる割合の一覧も

 

栄養バランスの取れた献立の基本

栄養バランスのとれた献立”

栄養バランスを整える場合の基本は、一汁三菜の献立です。一汁三菜とは1つの汁物と主食(ごはん)・主菜(肉や魚などメインのおかず)・副菜(サブのおかず)の3品を揃える献立のことを言います。

特に主菜や副菜で野菜類・海藻類・きのこ類を積極的に取り入れると、五大栄養素のバランスを取りやすくなります。「主菜と副菜を用意するのは大変」という時は、汁物を具沢山にする方法がおすすめです。肉や豆腐のたんぱく源、野菜やきのこ類などをたっぷり入れるなど工夫してみましょう。

一汁三菜についてもっと詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
一汁三菜の読み方と意味は?毎日の献立に悩まないコツや正しい置き方などもご紹介

 

1日に必要な栄養素を意識した生活を!

栄養バランスのとれた献立”

健康的な毎日を送るためには、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルなど五大栄養素を満遍なく摂ることが大切です。炭水化物・たんぱく質・脂質といったエネルギー産生栄養素に偏っている方は、毎日の食事に野菜や海藻、きのこ類などの植物性食品をプラスしてバランスを整えていきましょう。


参考文献

日本人の食事摂取基準(2025年版) 厚生労働省 参照年月日:2025年2月6日 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html 

e-ヘルスネット 厚生労働省 参照年月日:2025年2月6日
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionaries/food