主な果物の栄養素別ランキング!皮に栄養が多い?


「果物は健康に良い」「栄養が多く含まれている」と聞いたことがあっても、実際にはどんな栄養素がどれくらい含まれているのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか?

この記事では主な果物の栄養素含有量をランキングで紹介していくので、果物の栄養価が一目で分かります。また果物を効率的に摂取する方法、果物の皮の栄養など疑問点も説明するのでぜひ参考にしてください。

 

果物から栄養を摂るメリット

果物のデザート”

果物には、私たちの健康維持に欠かせない様々な栄養素が豊富に含まれています。エネルギーの源である三大栄養素のたんぱく質、炭水化物、脂質の他に、果物に含まれる栄養素で特に注目すべきは抗酸化物質であるフィトケミカルやビタミンA・C・Eです。

フィトケミカルは、植物が紫外線や害虫から身を守るために作り出す色素や香り成分で、活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素は老化や病気の原因の一つと考えられており、フィトケミカルはこれらのリスクを軽減できる可能性がある栄養成分です。

またビタミンA・C・Eは、五大栄養素の一つでありそれぞれ異なる働きで私たちの健康をサポートしています。各々の主な働きとして、ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持、ビタミンCは免疫機能向上やコラーゲンの生成の補助、ビタミンEは血行の促進などです。

ただし果物には糖質(果糖)も多いため、食べる量には注意が必要です。

 

主な果物の栄養素量一覧

果物”

それでは実際に、果物にどのくらいの栄養素が含まれているのかみていきましょう。ここでは、代表的な栄養生殖の果物を例としてりんご、みかん、桃、柿、苺の主な栄養素となるカリウム、ビタミンC、食物繊維を一覧で紹介します。

果物

カリウム(mg)

ビタミンC(mg)

食物繊維(g)

りんご/皮つき

120 6 1.9

うんしゅうみかん/じょうのう

150 32 1.0

もも/白肉種

180 8 1.3

甘がき

170 70 1.6

いちご

170 62 1.4

※すべて生、100gあたりの量
※出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

表から果物を比較してみると、ももはカリウム、いちごや甘がきはビタミンCが、りんごは食物繊維が多いなどそれぞれの特徴が分かります。おやつに果物を取り入れるなどして、不足しがちな栄養素を補いましょう。

 

各栄養素を多く含む主な果物ランキング

果物”

ここからはカリウムやビタミン、食物繊維など主要な栄養素を多く含む果物を栄養成分表をもとにランキング形式で紹介していきます。一般的にスーパーでよく見かける生の果物を各5つずつ挙げていくので効率よく栄養素を摂取するための参考にしてください。

ビタミンB群

ビタミンB群は水溶性ビタミンであり、人体の機能を正常に保つために必要な有機化合物です。体内ではほとんど合成できないため、食物から摂取する必要があります。ここではビタミンB群の中でもビタミンB1、B2、B6の含有量が多い果物をランキング形式でみていきましょう。

順位

ビタミンB1(mg)

ビタミンB2(mg)

ビタミンB6(mg)

1

マンゴスチン 0.11 アボカド 0.20 バナナ 0.38

2

うんしゅうみかん/じょうのう/普通 0.10 ドリアン 0.20 アボカド 0.29

3

アボカド 0.09 パッションフルーツ/果汁 0.09 ドリアン 0.25

4

パインアップル 0.09 レモン/全果 0.07 パッションフルーツ/果汁 0.18

5

シークヮーサー/果汁 0.08 マンゴー 0.06 キウイフルーツ/黄肉種 0.14

※すべて生、100gあたりの量
※出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

上記の表を見ると、ドライマンゴーはビタミンB1とB2、バナナはビタミンB6、アボカドはビタミンB2とB6で上位にランクインしています。

ドライマンゴーは、そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトやシリアルにトッピングするのもおすすめです。バナナは手軽に食べられるため、朝食や間食に最適。また、スムージーやデザートにもアレンジできます。

ビタミンA・C・E

ビタミンACE(エース)は、β-カロテン(ビタミンA)、ビタミンC、α-トコフェノール(ビタミンE)の総称で、抗酸化ビタミンとも呼ばれ活性酸素による体の酸化を防ぐ働きがあります。これらを多く含む果物を、含有量が多い順に表にまとめました。

順位

β-カロテン(㎍)

ビタミンC(mg)

α-トコフェノール(mg)

1

露地メロン/赤肉種 3600 アセロラ/酸味種 1700 アサイー/冷凍/無糖 3.7

2

パッションフルーツ/果汁 1100 キウイフルーツ/黄肉種 140 うめ 3.3

3

すいか/赤肉種 830 レモン/全果 100 アボカド 3.3

4

マンゴー 610 甘がき 70 キウイフルーツ/黄肉種 2.5

5

びわ 510 いちご 62 ドリアン 2.3

※アサイー以外すべて生
※すべて100gあたりの量
※出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

ドライマンゴーはビタミンB群だけでなくビタミンA、ビタミンC、ビタミンEをバランスよく含んでいます。またビタミンEが上位にランクインしているアボカドは、サラダやサンドイッチに加える他、トーストに乗せてもおいしくいただけるでしょう。

ビタミンEを多く含む食品の中にはアサイーもあります。スーパーフードとして注目を集めており、ベリー類のように手軽に食べられる食品です。アサイーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
アサイーとは何か?気になる味わいや健康機能などを紹介

カリウム

カリウムは体内の塩分や水分のバランスを調整し、血圧を正常に保つ働きがあり人体に必要なミネラルです。カリウムを多く含む果物を、含有量が多い順に表にまとめました。

順位

食品名

カリウム含有量(mg)

1

アボカド 590

2

ドリアン 510

3

バナナ 360

4

露地メロン/赤肉種,緑肉種 350

5

キウイフルーツ/黄肉種,緑肉種 300

※すべて生、100gあたりの量
※出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

カリウムは様々な食品に含まれていますが、あんずやバナナ、干しぶどうなどがあり手軽に摂取できます。おやつとしてそのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトやスムージーに加えてもおいしくいただけるでしょう。干しぶどうなどは、パンやお菓子に加えても風味が増します。

食物繊維

食物繊維は、腸内環境を整え便秘を予防する働きがある他、脂質や糖などを吸着して身体の外に排出します。食物繊維を多く含む果物を含有量が多い順に表にまとめました。

順位

食品名

食物繊維含有量(g)

1

アボカド 5.6

2

レモン/全果 4.9

3

アサイー/冷凍/無糖 4.7

4

ラズベリー 4.7

5

ブルーベリー 3.3

※アサイー以外すべて生
※すべて100gあたりの量
※出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

これらの果物はそのまま、またはジャムやコンポートに加工していただけます。食物繊維の詳しい内訳や効果的に摂取する方法などについて知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
食物繊維の水溶性と不溶性の違いとは?食品に含まれる割合の一覧も

有機酸

有機酸は果物の酸味の元となる成分で、酸化防止や抗菌性などが期待できます。リンゴ酸、クエン酸、酒石酸を多く含む果物を含有量が多い順に表にまとめました。

順位

リンゴ酸(g)

クエン酸(g)

酒石酸(g)

1

りんご/皮なし 0.5 レモン/果汁 6.5 ぶどう 0.4

2

バナナ 0.4 パッションフルーツ/果汁 2.5 -

3

パッションフルーツ/果汁 0.4 グレープフルーツ/紅肉種,白肉種/砂じょう 1.1 -

4

もも/黄肉種,白肉種 0.3 キウイフルーツ/緑肉種 1.0 -

5

レモン/果汁 0.2 オレンジ/ネーブル/砂じょう 0.8 -

※すべて生、100gあたりの量
※出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

有機酸は、果物の酸味を楽しむなら生で、味をまろやかにしたい場合は調理に使うと良いでしょう。例えばりんごはアップルパイやジャムなどに加工するのもおすすめです。

レモンは少量をジュースやドレッシングに加える他、多種多様な料理の風味付けにも活用できます。また複数の果物を組み合わせてスムージーやフルーツポンチにしても楽しめますよ。

 

果物の皮には栄養が多いって本当?

果物”

果物の種類にもよりますが、一般的に皮には果肉よりも多くの栄養が含まれています。100gあたりのりんごの皮なしと皮つきでビタミンCと食物繊維量を比較してみましょう。

  • ビタミンC…皮つき 6mg、皮なし4mg

  • 食物繊維…皮つき 1.9g、皮なし1.4g

皮がついているほうが、ビタミンCと食物繊維は多くなります。ただし果物を皮ごと食べる場合は、よく洗って汚れを落としてからいただきましょう。

 

果物からおいしく栄養を補給しよう!

果物のサンドイッチ”

果物は淡色野菜とともに基礎食品群の4群に当たりビタミン、ミネラル、食物繊維など、私たちの健康に欠かせない栄養素を多く含んでいます。また果物によっては皮ごと食べると効率よく栄養を摂取できるのでおすすめです。果物のような植物性食品を意識しながら栄養バランスを整えていきましょう。

 

参考文献

e-ヘルスネット 厚生労働省 参照年月日:2025年2月5日
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary 

実践食育ナビ 農林水産省 参照年月日:2025年2月5日 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/guide.html 

食育推進全国大会inとやま 農林水産省 参照年月日:2025年2月5日 https://www.maff.go.jp/hokuriku/safe/shokuiku/02_hosoku.pdf 

有機酸 食品分析開発センター 参照年月日:2025年2月5日 http://www.mac.or.jp/technical/organicacid/ 

文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 参照年月日:22025年2月5日
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html