ヴィーガン料理をおいしく作るための6つのポイント

ヴィーガンの食生活に興味をもち、実際に調理してみたいと思っている人もいるでしょう。ヴィーガンは野菜中心の食事をしますが、単に煮たり焼いたりするだけでは味のインパクトが薄くなりがちです。ヴィーガン料理をおいしく作るには、さまざまなポイントを意識する必要があります。

この記事では、ヴィーガン料理をおいしく作るためのポイントを紹介します。具体的な調理のコツを詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。

  

ヴィーガンの概要

 

ヴィーガンとは、動物性の食品を一切食べず、動物に由来する製品も使用しないという考え方です。食事は野菜を中心とし、肉や魚はもちろん乳製品や卵なども口にしません。ヴィーガンを選択する理由は、動物や環境への配慮、健康の維持促進、宗教などさまざまです。

ヴィーガンは、日本語で「完全菜食主義」ともよばれています。

 

ヴィーガンが食べないもの・食べるもの

ヴィーガンは、肉、魚、卵、乳製品といった動物由来の食材は食べません。単に肉料理や魚料理を避けるだけでなく、卵や乳製品が含まれている加工食品や市販のお菓子なども食べないように徹底します。

ヴィーガンが食べるのは植物由来の食品です。具体的には、穀物、野菜、果物、海藻、豆、植物油などが当てはまります。調理方法を工夫すれば、動物由来の食材を使用しなくてもさまざまな風味や食感などを楽しめます。

 

ヴィーガン料理のポイント

ヴィーガン料理をおいしく食べるには「焦がす」「乾燥させる」「油分を補う」「スパイスを使う」「発酵食品を取り入れる」「クリーミーにする」といったポイントがあります。それぞれについて詳しくみてみましょう。

 

焦がす

ヴィーガン料理の中心となる野菜は肉や魚と比べるとうまみが少なく、味の印象も弱いです。しかし、野菜をあえて焦がすと、そのまま食べるよりも味にインパクトが出ます。

野菜を焦がす際は、メイラード反応を利用するとよいでしょう。メイラード反応とは、糖分を含む食材を加熱した際に香ばしい風味が出ることです。

たとえば、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、玉ねぎなどの野菜は糖分が含まれており、メイラード反応を活用できます。野菜を焼いて食べるだけでなく、細かく切ってソースのようにし、他の野菜の上に乗せて食べるのもおすすめです。

 

乾燥させる

食材を乾燥させると味が凝縮され、よりおいしさを感じられるようになります。食材を乾燥させると、水分が抜けていく過程で旨味成分が増えるからです。

特に、昆布やきのこは、乾燥させると旨味が増します。しっかり乾燥させた昆布やきのこでだしをとれば、さまざまな料理に旨味を加えられます。

それ以外の野菜についても、乾燥させれば旨味をプラスすることが可能です。比較的水分が少ない野菜から挑戦し、慣れてきたら水分が多い野菜にも挑戦しましょう。

食材を乾燥させる方法については、以下で詳しく解説します。

 

そのまま干す

野菜をそのまま干して乾燥させる場合は、事前に薄く切っておきましょう。厚みをそろえて切るのがポイントです。

切った野菜は、風通しのよい場所で干します。干してから半日程度が経過すると、表面が白っぽくなってきます。さらに1~2日干し続けると完成です。乾燥が進み、野菜が小さく軽くなっています。

なお、野菜を干すのに向いているのは、晴れている真夏や、空気が乾燥している秋・冬などです。梅雨は湿気が多いため、野菜を干すのに向いていません。

 

オーブンで乾燥させる

オーブンを活用すれば、より短時間で干し野菜が完成します。そのまま干す場合と同様、まずは野菜を薄く切ります。そして、オーブンの天板にクッキングペーパーを敷き、切った野菜を並べましょう。

基本的には、100度の低温で20~30分程度焼くと、干し野菜ができあがります。ただし、水分が多い野菜は、1時間程度かかる場合もあります。野菜の状態を確認しながら、しっかり水分が抜けるまで乾燥させてください。

 

油分を補う

ヴィーガンが食べる食材は植物に由来しており、ほとんどは油分が少なめです。調理で油分を補うと栄養を加えられ、さらにコクや香りも増します。ヴィーガン料理で使える油分が多い食材は、ナッツ、ごま、ココナッツなどです。料理のアクセントとしてプラスしてみましょう。

また、植物由来のオイルとしては、オリーブオイル、なたね油、こめ油、ひまわり油などがあります。植物由来のオイルを活用すると調理の幅が広がるため、積極的に取り入れてみてください。植物由来のオイルの具体的な活用方法について、以下で紹介します。

 

植物由来のオイルで揚げる

植物由来のオイルを使えば、ヴィーガン料理でも揚げ物を作れます。たとえば、大豆ミート(大豆で作ったお肉風の食材)を使って植物由来のオイルで揚げると、肉の食感や味わいに近い唐揚げができあがります。

また、野菜や穀物などの素揚げもおすすめです。玉ねぎ、キヌア、ココナッツなどを素揚げにすると、料理のアクセントになります。ヴィーガン料理のバリエーションのひとつとして、植物由来のオイルによる揚げ物にぜひ挑戦してみましょう。

 

バターを植物由来のオイルに替える

ヴィーガン向けのレシピはそれほど多くないため、一般的なレシピを参考にしながら料理を作っている人も多いかもしれません。一般的なレシピでは、バターが使われている場合も多いです。レシピにバターが使われていたら、オリーブオイルやなたね油などの植物由来のオイルに替えて作りましょう。植物由来のオイルでも、十分に豊かな風味をプラスできます。

 

スパイスを使う

ヴィーガン料理にアクセントを出すには、スパイスもうまく使いこなしましょう。野菜にスパイスを加えると、おいしさがさらに引き立ちます。そのまま食べる場合とまた違った味わいを楽しめます。

また、ヴィーガン料理でよく利用される大豆ミートには、独特のにおいがあります。しかし、スパイスと組み合わせれば独特のにおいもそれほど気にならなくなるでしょう。

香りのバリエーションを増やしたいなら、スパイスだけでなくハーブもおすすめです。スパイスもハーブも種類が豊富なため、それぞれの食材や自分の好みに合うものを見つけましょう。

 

発酵食品を取り入れる

野菜に旨味が少ないのは、アミノ酸が少ないからです。ヴィーガン料理のアミノ酸を補うには、発酵食品を活用する方法があります。タンパク質を微生物などに分解して作った発酵食品はアミノ酸が豊富です。

ヴィーガン料理に取り入れやすい発酵食品としては、納豆、味噌、野菜の漬物などがあげられます。アクセントとして少し加えるだけでも旨味を感じられるため、物足りなさを感じるときはぜひ発酵食品を活用してみてください。

 

クリーミーにする

クリーミーさは食材を焦がした場合の風味と真逆であり、ヴィーガン料理に取り入れると味のバリエーションを増やせます。クリーミーさを出すにはヨーグルトやマヨネーズを使うと手っ取り早いですが、牛乳・卵が含まれているものは使えません。豆乳を使い、ヨーグルトやマヨネーズを自作するとよいです。

また、ホワイトアスパラガスやカリフラワーなどで作ったピュレも、料理にクリーミーさを追加できます。ナッツや練りごまの風味を活用するのもおすすめです。

 

ヴィーガン料理を作ってみよう

おいしいヴィーガン料理を作るには、さまざまな調理のポイントがあります。単に煮たり焼いたりするだけでなく、あえて焦がす方法や食材を乾燥させてから使う方法などもあります。

スパイスやハーブを振りかけるだけでも、いつもと違った風味を楽しむことが可能です。ひと手間加えるだけで味のバリエーションを増やせるため、今回紹介したポイントをぜひ取り入れてみましょう。