ローストアマニとは?栄養と効果、食べ方など

健康志向の高まりとともに注目されている食品の一つ、ローストアマニ。香ばしい風味と豊富な栄養を兼ね備えたこの食品は、オメガ3や食物繊維などが含まれています。
この記事ではローストアマニとは何か、その栄養価や健康効果、そして毎日の食事に取り入れる方法まで分かりやすく解説していきます。健康を考えた明日からの食生活に役立てていきましょう。
ローストアマニとは

ローストアマニとは、「アマニ(亜麻仁)」と呼ばれる植物の種子を乾燥させた後に焙煎した食品のことを指します。英語ではフラックスシードと呼ばれ、世界中で食用として利用されてきました。
日本ではまだ馴染みが浅いかもしれませんが、カナダやアメリカなどの北米や日本でも北海道の一部地域で栽培されており、特に寒冷地での栽培が適しているとされています。
アマニはその高い栄養価から「スーパーフード」とも呼ばれ、多くの健康志向の人々に愛されています。スーパーフードについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
スーパーフードを一覧で紹介!栄養価や特徴など
アマニ油やアマニ粒との違い
アマニ粒はタネを焙煎(ロースト)したもので、香ばしくて食べやすいのが特徴です。粒のままや粉末状で市販されており、料理やおやつのトッピングに使えます。
一方、アマニ油はタネを圧搾で抽出した油を指し、熱に弱いため加熱せずにそのまま料理にかけていただくのが一般的です。いずれもさまざまな食材や料理に合わせて使えます。
ローストアマニに含まれる栄養とその働き

ローストアマニは、スーパーフードともいわれるほど体に嬉しいさまざまな栄養素が含まれています。以下に、ローストアマニの主な栄養成分を紹介します。
・エネルギー 540kcal
・たんぱく質 21.8g
・鉄 9.0mg
・食物繊維 23.8g
・α-リノレン酸 24000mg
※すべて100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
具体的な栄養素の働きについては、次の章で詳しく紹介していきます。
α-リノレン酸
α-リノレン酸は多価不飽和脂肪酸の一種で、n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)に分類される重要な栄養素です。体内に取り込まれるとEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)といった、生理活性の高いn-3系脂肪酸へと変換されます。
EPAやDHAには中性脂肪を低下させる作用や血液をサラサラに保つ抗血栓作用などがあるとされています。特に注目すべきは、α-リノレン酸が体内では合成できない、あるいはごくわずかしか作ることができない「必須脂肪酸」であるという点です。そのため日常の食事から意識して摂取する必要があります。
たんぱく質
たんぱく質は動植物を構成する主要な成分の一つであり、ヒトにおいても筋肉や皮膚、臓器、髪の毛など体のあらゆる組織を作る重要な栄養素です。体の機能を正常に保つ役割を担う酵素やホルモン、免疫物質の材料にもなるほか、エネルギー源としても使われ生命活動のあらゆる場面に関わっています。
たんぱく質の中でも大豆たんぱく質については以下の記事もチェックしてみてください。
大豆のたんぱく質ってすごい?含有量や種類、大豆食品や野菜などとの比較
鉄
鉄は人体に必要なミネラルの一種で、約70%が赤血球の中にある「ヘモグロビン」や筋肉の中にある「ミオグロビン」の材料となり、全身に酸素を運ぶ役割や筋力維持の役割を果たしています。残りは肝臓や骨髄、筋肉などに貯蔵されます。
鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、肉や魚に含まれるヘム鉄は吸収されやすいです。植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄は吸収率がやや低めですが、非ヘム鉄は動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取することで吸収を高められます。さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
プラントベースで鉄の吸収率を高めるには?
食物繊維
食物繊維はヒトの消化酵素では消化されない成分です。摂取すると腸の動きが活発になり、便通が良くなったり、脂質や糖分、ナトリウムなどを体外に排出したりする働きもあります。
食物繊維には水に溶ける「水溶性」と溶けない「不溶性」の2種類があり、それぞれ異なる作用があるためバランスの良い摂取が大切です。詳しくは以下をご確認ください。食物繊維が含まれている食べ物なども解説しています。
食物繊維の多い食べ物の項目別ランキング!摂取するコツもご紹介
食物繊維の水溶性と不溶性の違いとは?食品に含まれる割合の一覧
リグナン
アマニには、リグナンと呼ばれる成分も含まれています。リグナンは植物ポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持つことで知られている成分です。
ローストアマニの一日の摂取量

ローストアマニの一日の摂取量には明確な基準は設けられていませんが、健康維持を目的に取り入れる場合は一日あたり約5g(小さじ一杯程度)が目安とされています。
オメガ3脂肪酸などの体に良い脂質や食物繊維などが含まれているため、毎日の食事に少量加えるだけでも栄養バランスの向上に役立ちます。ただし栄養価が高い分カロリーもあるため、食べ過ぎには注意し適量を継続して摂取することが大切です。
ローストアマニの保存方法

ローストアマニ粒は焙煎されているため酸化しにくいものの、開封後はなるべく早く使い切るようにすると良いでしょう。保存する際は開封口をしっかり閉じ、密封容器に移して冷蔵庫で保存するのが適切といえます。湿気や光を避けて保存することで、風味や栄養価の効果を保てます。
近年は、使い切りのスティックタイプも販売されているので利用してみるのもおすすめです。
ローストアマニの食べ方

ローストアマニはそのまま食べてもおいしいですが、料理やお菓子のトッピングとして使うのが一般的です。ごまやナッツのような香ばしい風味が加わり、料理のアクセントにもなります。以下では具体的な食べ方を紹介します。
料理に使う
ローストアマニは、和食・洋食を問わずさまざまな料理に活用できます。ごはんやお味噌汁にふりかけて、またはごはんにローストアマニを加えて焼きおにぎりにすると、香ばしい香りが食欲をそそります。
パンの場合は、食パンにバターとはちみつ、ローストアマニをふりかけてトーストにしてもおいしくいただけます。
ほかにもサラダのトッピングとしてふりかけていただけば栄養価もアップし、腹持ちも良くなります。好みのドレッシングでいただきましょう。ポテトサラダにアマニを少量加えて混ぜるのもおすすめです。
お菓子に使う
ローストアマニはクッキーなどの焼き菓子に混ぜ込んで焼くことで香ばしさと食感がプラスされます。またフルーツと一緒にヨーグルトや豆乳、アイスなどに加えるとナッツのような感覚でひと味違ったデザートに。
糖分を抑えたい方は、クリームチーズにローストアマニをまぶしてボール状にし、冷やし固めたものをいただくと、おやつにもおつまみにも最適です。
ローストアマニで健康的なレパートリーを増やそう!

ローストアマニは、α-リノレン酸やたんぱく質、鉄、食物繊維、リグナンといった栄養素がバランス良く含まれたスーパーフードです。日々の食事に簡単に取り入れられる手軽さも持っています。少量でも毎日摂取するとプラスになるので、ぜひ食生活に取り入れてみましょう。
BEYOND FREEでは、ローストアマニを使った「 食べるスープ ミネストローネ(2種のスーパーフード入り) 」もメニューにラインナップされています。たっぷりの野菜と、ローストアマニのプチプチとした食感が特徴です。
ミネストローネを食事に加えるだけで満足感もアップします。日々の食卓を豊かに健康を育んでいきましょう!
参考文献
健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 健康用語辞典 厚生労働省 参照年月日:2025年6月16日
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food
EPA・DHA について~食生活と脂質の中身を考える~ 日本食品分析センター(JFRL) 参照年月日:2025年6月16日
https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_vol5_no32.pdf