スーパーフードを一覧で紹介!栄養価や特徴など

近年、健康意識の高まりとともに注目されている「スーパーフード」。取り入れてみたいけどどんな種類があり、どのように生活に取り入れられるのか疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では購入しやすい代表的なスーパーフードの種類や魅力に加え手軽な食べ方などを紹介していきます。

 

スーパーフードとは

“野菜”

「スーパーフード」とはどのような食品を指すのでしょうか。実は科学的に厳密な定義があるわけではありません。一般的に、高い栄養価を持つ食品または多岐にわたる健康効果が期待できる食品などを指します。

スーパーフードと言われている食品は世界各地で多種多様に存在しますが、その多くはアメリカで最初に注目され広まったため、日本ではあまり馴染みのない食品も含まれています。具体的にどのようなものがあるかみていきましょう。

 

ベリー類

ベリー類は抗酸化作用の高いアントシアニンや、食物繊維を含む点が特徴です。ブルーベリーやアサイーなどがあります。

ベリー類は、そのまま食べても料理に活用しても美味しくいただけます。例えばブルーベリーをミキサーにかけてスムージーやヨーグルトのソースにしたり、カリッと焼いたパンの上にクリームチーズと好みのベリーを乗せるとチーズケーキのような味わいを楽しめたりします。

 

色の濃い野菜・アブラナ科の野菜

色の濃い野菜は、葉の色が濃緑色や赤紫色をしている野菜の総称です。ほうれんそうやケールなどが代表的で、これらの野菜にはβカロテン(ビタミンA)、ビタミンC、食物繊維と言った栄養素や抗酸化作用を持つ植物化学物質も含まれます。

他にもスイスチャード、カラードグリーン、マスタードグリーンなどが該当します。認知度は高くありませんが、日本でも地域によって生産・販売されている野菜です。

スイスチャードは地中海原産で、緑、赤、黄、紫、オレンジなど多彩なカラーの茎が特徴です。カラードグリーンはアメリカ南部で生産されている濃い緑色のアブラナ科の植物、マスタードグリーンはインド・ヨーロッパで作られピリッとした味などの特徴があります。

ほうれんそうはお浸し、ケールは青汁、スイスチャードはお浸しや炒め物、カラードグリーンやマスタードグリーンはサラダやスープに加えるのがおすすめです。

またアブラナ科の野菜は、めキャベツ、カリフラワー、カラードグリーンケールコールラビマスタードグリーンラディッシュ(はつかだいこん)かぶ(葉)などです。色の濃い野菜と重複する野菜もあり、栄養的特徴も似ています。

アブラナ科の野菜は、加熱調理だけでなく生でも食べられるのでバリエーションも豊富です。炒め物や煮物にプラスするのも良いし、サラダサンドイッチ漬物としてもおいしくいただけます。

■色の濃い野菜・アブラナ科の野菜の栄養的特徴

食品

βーカロテン(μg)

ビタミンK(μg)

葉酸(μg)

ビタミンC(mg)

食物繊維総量(g)

ケール/葉

2900 210 120 81 3.7

ほうれんそう/通年平均

4200 270 210 35 2.8

かぶ/葉

2800 340 110 82 2.9

カリフラワー/花序

18 17 94 81 2.9

キャベツ/結球葉

24 79 66 38 1.8

コールラビ/球茎

0 7 73 45 1.9

はつかだいこん/根

0 1 53 19 1.2

ブロッコリー/花序

900 210 220 140 5.1

めキャベツ/結球葉

710 150 240 160 5.5

※すべて生、100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

種実類(ナッツ類含)

ヘーゼルナッツ、くるみ、アーモンド、ピーカンナッツなどのナッツ類は、植物性たんぱく質と一価不飽和脂肪酸を含むのが特徴で、例としてくるみとアーモンドの含有量を以下の表にまとめました。

一価不飽和脂肪酸の大部分はオレイン酸で、悪玉コレステロール(LDL)の減少と善玉コレステロール(HDL)を維持する働きがあります。一方で脂質の含有量も多いので摂り過ぎには注意しましょう。

食品

たんぱく質(g)

脂質(g)

一価不飽和脂肪(g)

くるみ

14.6 68.8 10.26

アーモンド/無塩

20.3 54.1 35.09

※すべていり、100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

ナッツ類はそのままスナックや間食としていただける他、砕いてサラダやヨーグルトのトッピングにすると味と食感がプラスされます。おやつやサイドメニューとして、ナッツとベリー類を合わせレモンとはちみつを加えてマリネ風にするのもおすすめです。

また種子であるチアシードやアマニなど食事からの摂取が必要なα-リノレン酸が多く含まれた食品もあります。

 

全粒穀物

全粒穀物には、精製された白米や小麦粉と比べて食物繊維・ビタミンB群・ミネラルなどが多く日本ではお馴染みの玄米、小麦粒をはじめブルグルやキヌアなどが挙げられます。

含有する栄養素の種類が多い点は、以下にまとめた玄米とキヌアの例をみると納得です。ちなみにブルグルとは、小麦を蒸して乾燥させ、粗く挽いたものです。

栄養素

玄米

キヌア/玄穀

カリウム

230mg 580mg

カルシウム

9mg 46mg

マグネシウム

110mg 180mg

リン

290mg 410mg

2.1mg 4.3mg

亜鉛

1.8mg 2.8mg

0.27mg 0.47mg

マンガン

2.06mg 2.45mg

ヨウ素

微量 2㎍

ビタミンB1

0.41mg 0.45mg

ビタミンB2

0.04mg 0.24mg

ナイアシン

6.3mg 1.2mg

ビタミンB6

0.45mg 0.39mg

ビタミンB12

0㎍ 微量

葉酸

27㎍ 190㎍

パントテン酸

1.37mg 0.95mg

ビオチン

6.0㎍ 23.0㎍

水溶性食物繊維

0.7g 1.5g

不溶性食物繊維

2.3g 4.7g

食物繊維総量

3.0g 6.2g

※すべて100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

全粒穀物は、白米の代わりや一部として炊飯器で炊くことが可能です。またブルグルやキヌアは、サラダのトッピングやスープに混ぜるだけで簡単に取り入れられます。忙しい方は、茹でたものをインスタントスープに混ぜても良いでしょう。

キヌアは、アミノ酸バランスが良く完全栄養食とも呼ばれ近年注目されています。

 

豆類

いんげん豆、黒豆、ひよこ豆、大豆、エンドウ豆などの豆類は、植物性たんぱく質を中心に、食物繊維、葉酸など健康維持をサポートする成分が含まれているスーパーフードです。5つの豆類に含まれている主な栄養素の量は以下の通りです。

食品

たんぱく質(g)

葉酸(㎍)

食物繊維総量(g)

いんげんまめ

22.1 87 19.6

黄大豆/国産

33.8 260 17.9

ひよこまめ

20.0 350 16.3

赤えんどう

21.7 24 17.4

黒大豆/国産

33.9 350 16.0

※すべて全粒、乾、100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

豆類は茹でた状態であれば煮物や炒め物、サラダ、ドライカレーに加えるのも良いでしょう。ひよこ豆を潰してペースト状にし、好みの味付けでパンに塗って食べるのもおすすめです。

大豆などは、豆腐を使って炒め物やハンバーグに加える方法もあります。

 

発酵食品

日本には納豆、味噌、醤油、麹、米麹甘酒、酒かすなど多くの発酵食品があります。発酵食品には乳酸菌や酵母など様々な種類の微生物が含まれており、これらの微生物が私たちの腸内環境を整え、免疫力を高める働きをする他、発酵の過程でたんぱく質をアミノ酸に分解する酵素などが増えるのも特徴です。

納豆や豆腐などはそのまま食べるだけでなくアレンジしたレシピなどが多くありますが、近年は麹や酒かすを使った料理や漬物、デザートまで幅広く活用されています。

 

その他

その他、健康効果が期待できる食品を紹介します。

 

トマト

100gあたりの生の赤色トマトにはβカロテン540μg*やビタミンC15mg*、リコピンなどの栄養素が含まれています。*出典:赤色トマト 果実|文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

リコピンはトマトの赤色をもたらすカロテノイドの一種で、カロテノイドとは植物が作り出す色素成分の総称で、βカロテンもこの仲間です。老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を除去する働き(抗酸化作用)があります。

トマトはサラダやサンドイッチ、煮込み料理など様々な調理が可能です。生のトマトにフルーツなどを加えてミキサーにかけてトマトジュースやスムージーにすれば、朝食やおやつとしても楽しめます。

 

オリーブ油

オリーブ油には、100gあたりビタミンE(α-トコフェノール)7.4mg*、一価不飽和脂肪酸74.04g*、ポリフェノールなどが含まれています。*出典:オリーブ油|文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

オリーブ油は一般のオイルのように炒め物やサラダに使用できます。サラダにオリーブ油と塩をかければ、ドレッシングがなくてもコクのある味わいが楽しめます。

 

最近注目されている「モリンガ」とは

“モリンガ”

近年注目されているスーパーフードの1つに「モリンガ」があります。正式名称をモリンガ・オレイフェラと言い、ラテン語で「油を有する」と言う意味に由来しています。インド北部やパキスタンが原産で、現在は熱帯・亜熱帯地域で多く栽培されている植物です。

モリンガはワサビノキ科の熱帯早生樹で、葉、茎、果実、花のすべてが食用として利用できるのが特徴です。ビタミンA、マグネシウム、カルシウム、鉄などが含まれています。

 

スーパーフードを活用して、健康生活を!

“スーパーフード”

スーパーフードはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素を効率よく摂取できる食品です。植物由来のスーパーフードが多く、スーパーマーケットなどで手軽に手に入ります。健康的な体を維持するためにも、ぜひスーパーフードを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

参考文献

The Nutrition Source Harvard T.H. CHAN School of Public Health 参照年月日:2024年9月25日 https://nutritionsource.hsph.harvard.edu/superfoods/ 

10 superfoods to boost a healthy diet Harvard Health Publishing Harvard Medical School 参照年月日:2024年9月25日 https://www.health.harvard.edu/blog/10-superfoods-to-boost-a-healthy-diet-2018082914463 

野菜のいろいろ「スイスチャード」 独立行政法人農畜産業振興機構 参照年月日:2024年9月25日 https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/iroiro/1009_iroiro.html 

脂質と脂肪酸のはなし 消費者庁 参照年月日:2024年9月25日 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/trans_fatty_acid/pdf/100910_3.pdf 

スーパーフードとは 一般社団法人日本スーパーフード協会 参照年月日:2024年9月25日 https://www.superfoods.or.jp/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A8%E3%81%AF-2/ 

日本の食文化に欠かせない「発酵」の世界 農林水産省 参照年月日:2024年9月25日 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2211/spe1_01.html 

不飽和脂肪酸 eヘルスネット 参照年月日:2024年9月25日 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html 

ブルグルとは? Duru Bulgur 参照年月日:2024年9月25日 https://durubulgur.jp/bulgur/ 

カロテノイド eヘルスネット 参照年月日:2024年9月25日 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html