
ケールの魅力|種類や含有栄養素、味わい、青汁以外の食べ方などをご紹介
スーパーフードとして注目を集めるケール。栄養満点で美容や健康に良いとされていますが、青汁のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?
実は、ケールは青汁以外にも様々な料理に使える万能食材です。この記事ではケールの種類や栄養価、そしておいしい食べ方などケールについての魅力を幅広く解説します。
ケールとは?産地や味わいなどの特徴
ケールは、その栄養価の高さからスーパーフードとして世界中で注目されている葉物野菜です。歴史は古く、古代ギリシャ時代には薬草として使用されていた記録も残っています。原産地は地中海沿岸と言われており、過酷な環境にも耐えうる生命力の強さが特徴です。
ケールの魅力は何と言ってもその栄養価の高さにあり、カリウムやβ-カロテン、食物繊維など私たちの体に必要な栄養素が多種多様に含まれています。周年を通して入手しやすく、日本でも栽培されています。味にやや苦みがあるものの、調理法によっては風味豊かな独特の味に変わる野菜です。
キャベツやブロッコリーはケールの仲間
ケールは、私たちが普段食べているキャベツやブロッコリーの「祖先」とも呼ばれる野菜です。およそ4500年前に誕生し、アブラナ科の植物が持つ雑種強勢という力によって様々な品種が生み出されてきました。
和名では「リョクオウカンラン」や「ハゴロモカンラン」とも呼ばれ、アブラナ科の一年草または二年草の植物です。ケールの持つ生命力と多様性は長い年月をかけて私たちに身近な野菜へと進化していったと言えます。
ケールの種類と特徴
ケールはいくつかの種類があり、品種によって見た目や味が異なります。ここでは、代表的なケールの種類と特徴について見ていきましょう。
コラードケール
コラードケールは青汁の原料としてよく使用される品種です。葉が大きく厚みがあり、キャベツのような形状をしています。ケール特有の苦味が強く、しっかりとした食感が特徴です。
カーリー(カリーノ)ケール
カーリーケールは葉が縮れていてフリル状になっているのが特徴です。コラードケールに比べて苦味が少なく、食べやすい品種です。サラダや炒め物などの料理に利用できます。
ベビーケール
ベビーケールはケールの若芽を収穫したものです。葉が小さく柔らかく、苦味が少ないためサラダや炒め物に適しています。
GABAが多く含まれるソフトケール
近年はソフトケールと呼ばれる品種もあり、GABA(ギャバ)を多く含む葉物野菜として初めて「機能性表示食品」となり注目されています。GABAは血圧上昇抑制作用があると言われています。
ケールの栄養素と他の野菜を比較
ケールはミネラル、ビタミン、食物繊維などを栄養バランス良く含んでおり、その多様さから「野菜の王様」と呼ばれることがあります。ケールに含まれる主な栄養素と量は以下の通りです。(すべて生100gの量、出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)
-
カリウム…420mg
-
カルシウム…220mg
-
マグネシウム…44mg
-
リン…45mg
-
βーカロテン…2900㎍
-
ビタミンK…210㎍
-
ビタミンB1…0.06mg
-
ビタミンB2…0.15mg
-
ナイアシン…0.9mg
-
葉酸…120㎍
-
ビタミンC…81mg
-
食物繊維…3.7g
ケールに含まれる成分表を見ると、ミネラルやビタミンが多く含まれていることが分かります。
またケールの栄養価の高さは他の野菜と比較するとより明確になります。ここではキャベツとほうれんそうを例に代表的な栄養素であるカリウム、カルシウム、ビタミンC、食物繊維の含有量を比較してみましょう。
成分 |
キャベツ/結球葉 |
ほうれんそう/通年平均 |
ケール/葉 |
キャベツ比 |
ほうれんそう比 |
カリウム |
190mg | 690mg | 420mg | 約2.2倍 | 約0.6倍 |
カルシウム |
42mg | 49mg | 220mg | 約5.2倍 | 約4.5倍 |
ビタミンC |
38mg | 35mg | 81mg | 約2.1倍 | 約2.3倍 |
食物繊維 |
1.8g | 2.8g | 3.7g | 約2.1倍 | 約1.3倍 |
※すべて生、100gの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
ケールのカルシウム量はほうれんそうの約4.5倍、キャベツの約5.2倍に相当します。またビタミンCもそれぞれの2倍以上あり、効率よく栄養素を摂取できるのが魅力です。
ケールの下処理
ケールは、基本的には洗って生で食べられるため手間はかかりません。ただしケールの茎は繊維質が多く硬いので斜めに薄切りしたり刻んで塩もみしたりしてから使用すると、食べやすくなります。ベビーケールは葉が柔らかく、手で簡単にちぎることができるのでさらに調理が簡単です。
青汁以外のケールの食べ方とは
ケールと言えば青汁の原料として有名ですが、実は様々な調理法でおいしくいただけます。ケールは茹でると苦みが緩和されやすくなるので、味が苦手な方は試してみましょう。また調理方法を工夫するのも一つの方法です。いくつかのメニューを紹介するので、気に入った食べ方を見つけてみてください。
サラダにする
サラダは、加熱しないのでケールの栄養素を丸ごと摂取できる手軽な方法です。家庭で食べているサラダにケールをプラスするだけで味の変化を楽しめます。
おすすめのサラダはケールとナッツ、それに細かくいちょう切りにしたリンゴを加えたサラダレシピ。レモン(またはリンゴ酢)とはちみつ、オリーブオイルと塩で味付しましょう。ケールのほろっとした苦みにナッツの食感とリンゴの甘みがアクセントになります。
ケールの苦みが気になる方は酸味のきいたドレッシングやマヨネーズで味付けするか、ベビーケールを使う方法があります。他にも鶏肉やハム、卵などを組み合わせたサラダや、それらをサンドイッチの具材として楽しむのもおすすめです。
スムージーにする
スムージーはサラダと同じように生で摂取できるのはもちろん、忙しい朝や運動前にも手軽に栄養補給できる方法です。
飲みやすい方法としてバナナ、ヨーグルト、牛乳をミキサーにかけたスムージーがあります。バナナの甘みがケールの苦味を消してくれるためです。またはケールにミックスベリー、メープルシロップの組み合わせも。ヨーグルトや豆乳を加えるとさらに飲みやすくなります。
ケールにリンゴやバナナ、キウイなどのフルーツ、はちみつとレモン、それに抹茶を加えると和風テイストのスムージーに早変わり。さっぱりとした味わいを楽しみたい方におすすめです。
チップスにする
ケールチップスはヘルシーなおやつとして人気です。ケールを洗って水気を切り、食べやすい大きさに切ったら塩こしょう、オリーブオイルなどで味付けしオーブンでカリカリになるまで加熱します。170℃のオーブンで約20分、途中で様子を見ながら調整しましょう。
電子レンジでカリカリのチップスになるまで加熱する方法もあります。味はまろやかになりますが、それでも苦手と感じる方はパルメザンチーズやガーリックパウダーなどを活用してみてください。
他の料理と合わせる
ケールは様々な料理にアレンジできます。サッと調理して食べられるメニューは「ケールとベーコンの炒め物」。厚切りのベーコンとニンニクがケールの苦みを消してくれる上、食欲もそそられる一品です。
またケールにツナ、生クリーム、チーズを加えパスタに絡めると彩りも良いおしゃれなクリームパスタができます。生クリームやチーズがケールの苦味を抑えられるでしょう。
他にもケールをじっくり煮込んだポタージュもおすすめです。ケールと玉ねぎ、ジャガイモ、ひよこ豆をカレー粉で炒め、水を加えて煮込んだ後ミキサーにかけます。その後は豆乳などを加えて火を通し、味を整えれば完成です。
ケールを調理しておいしく食べよう!
ケールはキャベツやブロッコリーの原種であり、多種多様な栄養素を含むスーパーフードです。ビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランス良く含まれており、特にカルシウムの含有量は他の野菜を圧倒しています。
ケールにはいろいろな種類や特徴があります。それぞれの特徴を活かした調理方法で、スムージーやチップス、炒め物などの料理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?ぜひ、ご自身の食生活に取り入れて健康的な毎日を送ってください。
参考文献
苦いからおいしいへ ~今、注目されるケール~ 独立行政法人 農畜産業振興機構 参照年月日:2024年12月3日 https://www.alic.go.jp/content/001173370.pdf
微量ミネラル 厚生労働省 参照年月日:2024年12月3日 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586568.pdf