野菜1日分の量350gとはどれくらい?無理なく摂取する方法などご紹介

1日分の理想的な野菜摂取量は、350gと言われています。しかし「具体的にどの野菜をどれくらい食べたら良いか分からない」「1日に野菜を350gも摂るのは難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は野菜1日分の種類別の摂取目安量や1日で350gの野菜を無理なく摂るポイントについて詳しく紹介します。ぜひ参考にして野菜を効果的に摂り入れた食生活を送ってください。

 

野菜を食べるメリット

野菜”

野菜には食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれています。特にビタミンやミネラルは体の働きを整えてくれるため、それが野菜を食べるメリットと言えるでしょう。

また低脂肪で低エネルギーでカサが多いことから、満腹感がありながらも実際に摂取した脂肪量やエネルギー量は糖質量やたんぱく質量と比較して少なくなりやすいです。

 

野菜1日分の量と種類別の摂取目安量とは?

野菜”

理想的な野菜1日分の量が350gと言われている理由は、厚生労働省が国民の健康づくりのために提唱している「健康日本21」に掲げられているためです。

種類別の具体的な野菜摂取目安量については、以下の通りです。

  • 緑黄色野菜:1日120g以上

  • それ以外の野菜:1日230gが目安

目分量については、以下を参考にすると分かりやすいでしょう。

  • 生野菜:両手に1杯分で約120g(1日分は両手に約3杯分)

  • 茹で野菜:片手に1杯分で約120g(1日分は片手に約3杯分)

1日の目標摂取量である350gを全て生野菜で摂るのはカサも多く大変なので、無理なく摂取できるよう、調理方法や食べ方を工夫することが大切です。

 

1日分の野菜350gをよく使う野菜で換算

野菜”

以下で1日に350gの野菜を摂るにはどの野菜をどれくらい摂取したら良いのかを具体的にまとめました。私たちが日常的によく使う野菜を例に用いたので、ぜひ参考にしてください。

緑黄色野菜(合計量120g)

  • ほうれんそう 約1/6株(約30g)
  • にんじん   約1/5本(約30g)
  • ミニトマト  約2個(約30g)
  • ブロッコリー 約1/8株(約30g)

それ以外の野菜(合計量230g)

  • 大根   1本の約2cm幅カット分(約50g)
  • 玉ねぎ  約1/4玉(約50g)
  • なす   約1本(約80g)
  • きゅうり 約1/2本(約50g)

※一般的な大きさの重量なので目安にしてください(廃棄分含む)。

 

1日分の野菜350gを1日で摂取するパターン例

野菜”

ここからは、1日に350gの野菜を摂取するための食事例をパターン別に3つ紹介します。なお各パターン例では副菜量の基準を以下のように設定しています。

  • 副菜(小鉢)一杯分:野菜約70gが摂れることを想定

 

パターン1:1日で副菜5品

「1日3回の食事で、合計5品の副菜を摂る」と決めておくと、350gの1日分の野菜を無理なく摂取できるでしょう。上記パターンの具体的な食事例を以下の表にまとめました。

副菜5品の配分例

副菜のメニュー例

朝食(副菜1品)

・野菜サラダ(トマト、ブロッコリー、キャベツ、きゅうり、大根など)

昼食(副菜2品)

・きゅうりとわかめの酢の物
・煮豆

夕食(副菜2品)

・ひじきの煮物
・ほうれんそうのおひたし

 

副菜5品の配分例

副菜のメニュー例

昼食(副菜2品)

・パプリカのピクルス
・コールスローサラダ

夕食(副菜3品)

・きんぴらごぼう
・いんげんのゴマ和え
・白菜と大根の甘酢漬け

 

パターン2:1日で野菜多めの主菜1品+副菜3品

1日分の野菜を効率的に摂るには「1日で野菜多めの主菜1品+副菜3品を摂る」という方法も効果的です。今回は「野菜多めの主菜1品」に野菜炒めや八宝菜を用いて、以下のように具体的な食事例を考えました。

野菜多めの主菜1品+副菜3品の配分例

主菜・副菜のメニュー例

昼食(副菜2品)

・なすのおひたし
・無限キャベツ

夕食(主菜1品+副菜1品)

・野菜炒め
・きゅうりとトマトの浅漬け

 

野菜多めの主菜1品+副菜3品の配分例

主菜・副菜のメニュー例

昼食(副菜2品)

・青梗菜の中華炒め
・もやしとキクラゲの中華和え

夕食(主菜1品+副菜1品)

・八宝菜
・メンマとザーサイのピリ辛和え

 

パターン3:1日で副菜3品+野菜多めの汁物1品

次は「1日で副菜3品+野菜多めの汁物1品を摂る」というパターンを紹介します。今回は「野菜多めの汁物1品」に豚汁やポトフを用いて、以下のように具体的な食事例を考えました。

副菜3品+野菜多めの汁物1品の配分例

汁物・副菜のメニュー例

昼食(副菜2品)

・切り干し大根煮
・小松菜とわかめの酢の物

夕食(汁物1品+副菜1品)

・豚汁
・かぶの塩昆布漬け

 

副菜3品+野菜多めの汁物1品の配分例

汁物・副菜のメニュー例

朝食(副菜1品)

・もやしと豆苗の和え物

昼食(副菜1品)

・オクラのおかか和え

夕食(汁物1品+副菜1品)

・ポトフ
・ブロッコリーとトマトとマッシュルームのマリネ

 

1日分の野菜を無理なく摂取するコツ

野菜チップス”

現在の食事で1日に350gの野菜を摂れていなかったとしても、焦る必要はありません。できることから始めて一歩ずつ350gに近付けていき、最終的に350gを摂れるようにしていきましょう。

ここからは、1日分の野菜を無理なく摂取する3つのコツについて紹介します。

 

乾燥野菜を利用する

理想的な1日分の野菜を摂るには、乾燥野菜を日々の食事に取り入れると良いでしょう。乾燥野菜とは、その名の通りほうれんそうやにんじん、ごぼうなどの野菜をカットして、それを乾燥させた乾物を指します。

乾燥野菜は煮物や汁物などの水を使う料理にそのまま加えて使えるため、毎日仕事や育児で忙しくしている方でも気負うことなく活用できる点が魅力です。

乾燥野菜から摂取できる具体的な野菜量は 野菜の種類や乾燥方法などによっても異なります。しかし1品に乾燥野菜約5gを入れると副菜+1品程度の野菜量が摂取できると考えられているため、ぜひ参考にしてください。

 

副菜1品を野菜を多く含む食品で置き換え

人によっては、1日分の野菜を全て食事から摂取するのが難しい場合もあるでしょう。そのような方は副菜1品分を野菜ジュースや野菜スープなどの加工品に置き換えるのも有効な方法です。

加工品から摂取できる野菜量は商品に記載の値を参考にします。具体的な野菜量を確認した上で、何品分に置き換えられるのかを計算してみましょう。ただし加工品は手作りの副菜と比べて糖質や脂質が多くなりがちなので、置き換える場合はその点に留意する必要があります。

 

いつもより副菜をもう1品増やす

日頃自炊する機会が多い方やスーパーやコンビニなどでお惣菜などを購入する習慣のある方は、今回の記事で紹介したような副菜をいつもより1品多く取るよう心掛けてみましょう。

難しい場合は外食時のお店選びやメニュー選びに気を付けてみてください。

例えば、お店はファーストフード店ではなく定食屋を選択すると野菜を使った副菜を取りやすくなります。またラーメン屋に入った場合も、サイドメニューにキムチやメンマ、ザーサイなどを1品追加するだけで1日の野菜摂取量を簡単に増やせるでしょう。

 

1日分の野菜は無理なく摂れる量!

野菜を食べるイメージ”

今回紹介したように調理方法や摂取方法を工夫すれば、350gという1日分の野菜を無理なく摂れるようになります。最初からあまり気負いすぎずに、まずは夕飯に1品副菜を追加してみるなど気軽にできることから始めてみてはいかがでしょうか。

1日分の野菜量を毎日継続的に摂る習慣が付けば、より活き活きとした日々を過ごせるようになるはずです。

参考文献

野菜、食べていますか? e-ヘルスネット 厚生労働省 参照年月日:2024年12月4日 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html

健康日本21(第三次)について~栄養・食生活関連を中心に~ 厚生労働省 参照年月日:2024年12月4日 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001122156.pdf

食事バランスガイド早分かり 実践食育ナビ 農林水産省 参照年月日:2024年12月4日 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/division.html

8月31日は「野菜の日」。1日の野菜摂取量アップを目指して、「野菜の小鉢70g」に挑戦してみた。 note JA全農 広報部【公式】 参照年月日:2024年12月4日 https://note.com/zennoh_pr/n/nef0811c04286

価格や品質が安定。備蓄にも最適な乾燥野菜 一般社団法人長野県農村工業研究所 参照年月日:2024年12月4日 https://www.nokoken.or.jp/research-blog/dry-vegetable

 

【監修者】
管理栄養士・和食ライフスタイリスト
合田 麻梨恵

管理栄養士監修”

一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会代表理事。大学卒業後、コンビニ商品開発を経て独立。2万件以上の予防医学に関する論文読破・発酵生産者100軒以上訪問・100名様以上の栄養指導経験から未病のない身体づくりを推進中。著書「中高年のための食と予防医学」など書籍執筆、監修、講演、コラム執筆、メディア出演など。