1日の食塩摂取量の目安って?塩分と上手に付き合うための4つの方法

「日本人は塩分を摂り過ぎている」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?塩分は、身体にとって大切な栄養素ですが、摂り過ぎると高血圧などの生活習慣病につながるリスクがあります。

そうは言っても、塩分はおいしい食事を楽しむために欠かせない調味料とも言えます。おいしい食事も諦めたくないですよね。

今回は、塩分と上手につき合うための4つの方法を紹介します。ぜひ参考にしていただき、健康的で楽しい食生活を送りましょう。

 

日本人は塩分を摂りすぎている

日本は海に囲まれ、塩を比較的簡単に手に入れることができます。神道や相撲などでも、神聖なものとして扱われてきた塩は、魚の保存性をよくしたり、漬物にしたりと日本人の食生活に欠かせないものになっています。

醤油や味噌などの調味料も発展し、日本人はおよそ7割の食塩を調味料から摂取していると言われています。このことが、日本人の塩分の摂り過ぎの原因のひとつにもなっています。

2019年発表の厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、食塩摂取量の平均値は男性10.9g/日、女性9.3g/日で、厚生労働省が推奨する男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満を大きく上回っています。

 

塩分の摂り過ぎが身体に与える影響

塩分は、体内の水分や血圧を調節したり、神経や筋肉の働きを助けたりする重要な成分ですが、摂り過ぎも良くありません。では、塩分の摂り過ぎで、どんな影響が体にあるのでしょうか?

まず塩分を摂り過ぎると、体内のバランスをとるため身体が水分を要求し、口がかわいたり、むくんだりしてしまいます。他にも、高血圧などの生活習慣病や胃がん・食道がんのリスクを高めるという報告もあります。

 

1日の食塩摂取量の目安は?

以下の表に食塩摂取量の目標値をまとめました。

 1日の食塩摂取量の目標値 男性 女性
日本人の食事摂取基準(2020年版) 7.5g未満 6.5g未満
世界保健機関(WHO) 5g未満
5g未満
日本高血圧学会 6g未満
6g未満

 

食塩摂取量の減少のために各機関で目標量が定められており、成人1人1日あたりの目標量は、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。ただし、高血圧などのリスクがある方は、日本高血圧学会が推奨している6g未満を参考にしましょう。

健康的な生活のために、できるだけこの目標値を意識した食生活を心がけたいものですね。

 

塩分と上手に付き合うための4つの方法

「食塩摂取量の目標値を守る」と言われても、なにから始めればいいのか、分かりにくいですよね。ここからは、塩分と上手に付き合うための方法を4つに分けてご紹介します。

 

1.塩分の多い食品の摂取を減らす

食塩の7割を調味料から摂取していると言われる日本人ですが、そのほかの塩分の摂取源はなんでしょうか?2017 年に医薬基盤・健康・栄養研究所が公表した国民健康・栄養調査での摂取実態の解析によると、食塩の摂取源となっている食品は、以下のとおりです。

※1:数値は平均値
2017 年医薬基盤・健康・栄養研究所、国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部が公表した国民健康・栄養調査での摂取実態から作成

食塩摂取源となっている加工食品の上位は、インスタントラーメンや野菜の漬物、魚の塩漬などです。食塩を気にする方は、これらの食品の摂り過ぎに気をつけたほうがいいでしょう。

 

2.カリウムを多く含む野菜や果物を食べる

食塩は、化学的には塩化ナトリウムと呼ばれ、ナトリウムと塩素からできています。

食塩に含まれるナトリウムは必須ミネラルのひとつで、カリウムと縁の深いミネラルです。ナトリウムとカリウムは、バランスを取りながら神経伝達や筋肉の収縮、血圧調整など、様々な生命活動に深く関わっています。

塩分の多い食品を摂るときに、カリウムを一緒にとれば、余分なナトリウムが体外へ排出されやすくなります。

カリウムが多く含まれる食品には、野菜やワカメ、イモ類のほか、リンゴやバナナなどの果物があります。

インスタントラーメンを食べるときに野菜やワカメを加えたり、梅干しが食べたければ大根などの野菜と和え物にしたりするのもいいですね。

 

3.調味料の使用量に気を付ける

前述の通り、日本人は約7割の食塩を調味料から摂取しています。塩や醤油、味噌など、日常的に使用している調味料を、目分量ではなくきちんと量るようにするだけでも、ずいぶん摂取量に違いが出ます。食卓に出す塩や醬油の容器を、一度にたくさん出ないものに変えるのもいいですね。

塩や醬油や味噌を多く含む汁物は1日1回程度にする、漬物は小皿で出すなど、塩分の多い料理を摂り過ぎないようにする工夫も大切です。

 

4.減塩の商品を用いる

高血圧やむくみが気になる方に向けて、各メーカーから減塩タイプの醤油・味噌・ポン酢など、バラエティー豊かな調味料が発売されています。これらは香りを工夫したり出汁の味をきかせたりして、減塩しても食事を楽しめるように工夫されているので、普段使っている調味料を減塩タイプに置き換えれば、あまりつらい思いをせずに減塩ができます。

しかし、ひとくちに減塩と言っても、減塩割合はさまざまです。減塩だと思ってたっぷり使っていると、逆に塩分を摂り過ぎることもあります。商品ラベルをよく確認して選び、使用量にも気をつけましょう。

 

塩分を抑えても美味しくするには?

食事は体に必要な栄養素を摂取するだけでなく、満足感や幸福感を与えてくれるものです。塩分を抑えても、食事の楽しみは忘れたくないですよね。ここからは、塩分を抑えても料理を美味しく食べるコツを紹介します。

 

出汁を効かせてうま味を出す

出汁は和食に欠かせないもので、多くの日本料理に使われています。出汁には、うま味と呼ばれる味が含まれています。

うま味は、甘味、酸味、塩味、苦味に続く5番目の味で、料理のおいしさを生む大切な要素です。他の味を引き立てたり、豊かな味わいをもたらしたりできるので、塩分を減らす強い味方になってくれます。

うま味の成分は、昆布に多く含まれるグルタミン酸、かつお節に多く含まれるイノシン酸、きのこ類に含まれるグアニル酸などがあり、それぞれ単独で用いるより、複数で使った方が、相乗効果でおいしく感じられるという性質があります。

ですから、鰹節や昆布など複数の材料を使って、しっかりと出汁をとれば、塩分を抑えても美味しく食べられます。

 

薬味やスパイスを取り入れる

塩分控えめにして、料理の味が物足りないときには、薬味やスパイスを取り入れる方法もあります。

例えば、ネギやシソ、ショウガなどの薬味は、料理の風味を増して満足感を高めてくれます。他にもバジルやローズマリーなどのハーブ類を使えば、また違った風味が楽しめます。

同じように、コショウやカレー粉、七味唐辛子なども、辛さや風味が刺激となり料理の味付けのアクセントになるので、おすすめです。

塩味だけでない新しい味付けで、食卓が楽しくなりそうですね。

 

旬の食材を積極的に活用する

日本には四季があり、季節ごとにおいしい食べ物があります。これを旬と言い、路地物の野菜や果物や、魚がたくさん採れる時期のことを指します一般的に旬の時期の食材は、栄養価が高く新鮮なため、香りや旨味を豊かに味わえると言われています。ですから、おいしさを楽しみながら減塩できる絶好のチャンスとも言えるのです。

旬ごとに、その季節に合った食材を積極的に活用する習慣をつければ、食への楽しみも広がります。食材そのものの味を、再発見できるかもしれません。

 

おいしさを楽しみながら、減塩生活を両立しよう!

今回では、日本人の食塩摂取状況や減塩のポイントについて紹介しました。食塩は、身体にとって大切なものですが、摂り過ぎは身体にとってよくありません。塩分と上手に付き合って、おいしくストレスの少ない減塩生活を送りましょう。

ショクタスでは、食の楽しみを損なわずに減塩できる食品も取り扱っています。ぜひ活用していただき、減塩してもおいしい食生活を楽しんでくださいね。

 

参考文献

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 文部科学省