いま代替食が選ばれる理由|今日から取り入れられる事例を紹介
環境問題や食糧問題が深刻化する近年において、注目を集めている代替食品。
最近では、えんどう豆やひよこ豆などで作られた「豆ヌードル」が小麦麺の代替品として話題を呼び、続々と商品化されています。しかしまだまだ新しいジャンルということもあり「美味しいの?」「何から作られているの?」など疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は代替食品について、人気を集めている理由や種類などを紹介します。記事の最後では気軽に食生活に取り入れられる代替食品についても紹介しますので、気になる方はぜひチェックしてくださいね。
代替食って何?
代替食品とは、ある食材の味や食感・見た目を、別の食材で再現した食べ物のことです。
代替食はもともと、アレルギーの人やヴィーガンなどの菜食主義、宗教上の理由で特定の食べ物を食べられない人など、食の制限がある人に向けて作られていました。しかし、現在は健康志向の高まりから、そうでない方も食生活に取り入れています。
代替食の身近な例には、大豆ミート(肉の代用)・大豆ヨーグルト(乳製品の代用)・米粉パン(小麦の代用)などがあります。これらは普段の食事だけでなく、スイーツや飲み物など幅広く加工されています。
いま代替食が選ばれる理由
代替食が選ばれている背景には、人々の健康意識だけでなく、地球環境におけるさまざまな課題があります。ここでは、代替食品が注目されている理由について紹介します。
サステナビリティの観点
環境への配慮のために、代替食を選択する人が増えています。
普段食べている牛肉や豚肉、鶏肉といった家畜の肉は、生産過程で地球温暖化の原因となる温室効果ガスを多く排出すると言われています。
また、家畜の飼育には広大な農地や飼料生産用の畑、膨大な水も必要であり、食肉の増産は、環境破壊や水の汚染・不足といった深刻な問題を引き起こしています。限りある地球の資源を守るためにも、従来の肉ではなく植物性の代替食が選ばれているのです。
さらに、世界的な人口増加によって今後到来が予測されている食料危機に備えるためにも、代替食を選ぶ人が増えています。
健康意識の高まり
昨今では消費者の健康意識が高まっており、健康増進やダイエットのために、肉や乳製品など動物由来の食品ではなく、植物由来の原材料でつくった代替食品を食べる人が増えています。
代替食品の原材料として使われることが多い大豆には、ミネラルや食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれています。
そのため、大豆を料理に使用することで、肉や乳製品を使う時よりも栄養バランスの良い健康的な食事を作ることができるメリットがあります。
また、一般的に植物性の代替肉にはコレステロールが含まれておらず、生活習慣病の予防にもつながることから、健康管理に役立つ食品として人気を集めています。
消費に意味を求めるZ/Y世代の影響
代替食は、Z世代やY世代の方も好んで選んでいると言われています。
- Y世代:1980年〜1990年代半ばに生まれた世代で、現在20代後半~40代前半の人。
- Z世代:1990年代後半から2010年ごろに生まれた世代で、現在10代〜20代前半の人。
これらの世代は、自分らしさを尊重する傾向が強く、SNSでも自分の意見や主張を積極的に発信します。特にZ世代は、幼い頃から地球温暖化の異常気象や、東日本大震災などの震災を目の当たりにしているため、環境問題に強い関心があると言われます。
また、生まれたときからインターネットが身近にあり、スマホネイティブであることも特徴です。
このようにZ/Y世代は、社会のセンシティブな問題に触れながら育ってきたため、消費行動においても意味のあるものを求めます。先に述べた環境や健康に配慮されたものや、ストーリー性のあるものなどを選ぶ傾向があり、食品においても代替食を好んで食べる方が多くいるのです。
代替食にはどんなものがある?
代替食品とひとことで言っても、肉・乳製品・卵などさまざまな種類があります。大抵は植物由来の原料でありながら、食感や味は本物そっくりに加工されています。調理のアレンジもしやすいので、普段の食事にも手軽に活用できるでしょう。ここからは、主な代替食品の種類について紹介します。
肉の代替食品
近年では人口増加によるタンパク質源の不足に備えるために、さまざまな代替肉が開発されています。原材料には豆類や小麦などを使用し、特殊加工で肉のような食感や味、香りを実現。大豆ミートや培養肉、タンパク源の代用としての昆虫食などが開発されています。
なお、代替肉の原料は大豆が多く、日本でもさまざまな企業が大豆ミートを販売しています。大手ハンバーガーチェーン店が大豆ミートを使用したことでも話題を呼びました。
現在ではスーパーやコンビニでもよく見かけるようになり、カフェのメニューにも登場しています。代替肉は、ますます身近な食べ物になりつつあります。
乳製品の代替食品
牛乳の代替食品には、豆乳・オーツミルク・アーモンドミルクなどがあります。いずれも脂肪分が少ないため口当たりが良く、乳糖不耐症や牛乳アレルギーの方にも支持されています。
その他にも、エンドウ豆を使った植物由来のチーズやアイスクリーム、カシューミルクを使ったヨーグルトやチーズ、オーツミルクを使ったヨーグルトやアイスクリームなどもあり、体に優しいおやつとして食べられています。
卵の代替食品
代替卵は、動物の卵以外の原料で作った鶏卵の代替品。代替卵には、植物性素材でできた溶き卵状のヴィーガンエッグなどがあり、味や食感も鶏卵に似ています。
アメリカの企業では緑豆・植物油・ターメリックなどを原料とした代替卵を開発、販売しており、スクランブルエッグやオムレツなどを作ることができます。ムング豆が原料のものもあり、卵アレルギーの人でも卵料理を楽しむことができると話題です。
小麦の代替食品
小麦粉を米粉、雑穀粉などで代用した米粉パンや米粉麺なども近年登場し、話題を呼びました。
特に米粉を使ったパンやお菓子は、一般的にグルテンフリーなことも多く、米粉で体に優しく腹持ちも良いため、健康に気を遣う女性を中心に人気を集めています。
さらに、しらたきや豆腐を使ったスパゲッティやフェットチーネ、マカロニなどの代替麺もあります。小麦を使った麺よりもヘルシーで栄養バランスも良く、パスタやラーメンに置き換えても違和感なく食べられます。
まずは気軽に買える代替食を試してみよう!
代替食品は、食材の味や見た目、食感を、別の食材で再現した食品です。健康志向の高まりだけでなく、環境問題や食糧危機を背景に近年需要が高まってきました。
代替食品は植物性の原料を由来としたものが多く、肉・乳製品・卵・小麦などの代替食品があります。いずれも本物の味や歯ごたえに似ているので、食に何らかの制限をしている方でも美味しく食べられる工夫がされています。
ショクタスでは、代替食品の一つに分類されるプラントベース食品や、アレルギーに配慮した特定の原材料を使用していない商品を取り扱っています。いずれも簡単調理ですぐに食べられるので、いつでも出来立ての味わいを楽しむことができますよ。環境と体に優しい代替食品を、ぜひ食卓に添えてみてください。