トマトの栄養成分とその効果|効率良く摂る方法とメニューの紹介も

「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言うことわざがあるように、トマトは健康的な食品として知られています。しかし具体的に含まれる栄養素、生と加熱はどちらの栄養価が高いかなどについて疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。


この記事ではトマトの基本的な情報から栄養成分の比較、そして各栄養素が持つ役割まで詳しく解説します。

 

トマトとは

“トマトのイメージ”

トマトはナス科ナス属の植物です。世界中を見ると細長いタイプや深いヒダがあるタイプなど様々あり、その種類は1万種類にも及びます。


トマトは大きく分けると夏秋トマト(7月~11月頃)と冬春トマト(12月~6月頃)があります。主な産地は冬春トマトでは熊本県や愛知県、栃木県、夏秋トマトでは北海道や茨城県などです。全国の収穫量では熊本県が最も多く、次いで北海道、愛知県と続きます。


トマトが野菜か果物かは分類の仕方によって異なり、例えば農林水産省の生産・出荷統計では「果菜類」、文部科学省の「日本食品標準成分表」では「野菜類」と表記されています。


詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

野菜と果物の違いを分かりやすく解説!トマトやいちごはどっち?

 

トマトのカロリーと三大栄養素|ミニ・ドライ・ジュースとも比較

“トマトのイメージ”

トマトはミニトマトやドライトマト、トマトジュースなど、形状によってカロリーや栄養素の含有量は異なります。一覧で見てみましょう。

 

 

エネルギー(kcal)

たんぱく質(g)

脂質(g)

炭水化物(g)

食物繊維(g)

赤色トマト/果実/生

20 0.7 0.1 4.7 1.0

赤色ミニトマト/果実/生

30 1.1 0.1 7.2 1.4

トマトジュース/食塩添加

15 0.7 0.1 4.0 0.7

ドライトマト

291 14.2 2.1 67.3 21.7

※すべて100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

 

トマトは、ドライトマトを除けばいずれの形態でもエネルギーや脂質が非常に少ないのが特徴です。赤色ミニトマトは通常の赤色トマトよりも炭水化物が多く、トマトジュースは手軽に摂取できますが生のトマトに比べて食物繊維は少なめです。


ドライトマトは水分がない分、同じ100gあたりの量で比較すると栄養素の濃度が高く栄養素が他の3種に比べて圧倒的に多くなっています。エネルギーや脂質も高くなるため摂取量には気を付けましょう。

 

 

トマトに含まれるミネラル・ビタミン|ミニ・ドライ・ジュースとも比較

“トマトのイメージ”

トマトにはミネラルやビタミンもバランス良く含まれています。これらの栄養素もトマトの形態によって含有量が異なります。

 

 

カリウム(mg)

βーカロテン(㎍)

ビタミンB1(mg)

ビタミンC(mg)

赤色トマト/果実/生

210 540 0.05 15

赤色ミニトマト/果実/生

290 960 0.07 32

トマトジュース/食塩添加

260 310 0.04 6

ドライトマト

3,200 2,600 0.68 15

※すべて100gあたりの量
※出典:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

 

赤色ミニトマトは赤色トマトと比較してβ-カロテンやビタミンCが多く、特にビタミンCは約2倍の量が含まれています。トマトジュースは加工の過程でβ-カロテンやビタミンC、ビタミンB1の減少が見られますが、カリウムは生のトマトよりもやや多いです。ドライトマトは前述同様、水分が抜けている分栄養素が濃縮されるため、ミネラルやビタミンが多く含まれます。

 

トマトに含まれる主な栄養成分の効果

“トマトのイメージ”

ここでは、トマトに含まれる栄養成分の役割について詳しく解説します。

 

カリウム

カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節し、一定に保つ役割を持つ重要なミネラルです。神経の興奮や筋肉の収縮に関与するほか、体液のpHバランスを整える働きもあります。特に重要なのは、体内の余分なナトリウムを排出して塩分の摂り過ぎを調節する作用です。


カリウムは赤色ミニトマト290mg、トマトジュース260mg、赤色トマト210mgの順に多く含まれています。


詳細は、こちらの記事も参考にしてください。

ミネラルの多い食べ物の項目別ランキング!摂取するコツや働きもご紹介

 

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンは、体の中で必要に応じてビタミンAに変わる栄養素です。強い抗酸化作用があり、余分に発生した活性酸素を取り除くことでアンチエイジングや生活習慣病の予防が期待されています。他にも目や肌、粘膜を健康に保ち、免疫機能を高める働きなども。


赤色ミニトマトにはトマトジュース(310μg)の約3倍、赤色トマト(540μg)の約1.7倍の960μgのβ-カロテンが含まれています。


ビタミンに関する詳細は、以下の記事も参考にしてください。

ビタミンの多い食べ物の種類別ランキング!摂取するコツや働きもご紹介

 

ビタミンB1

ビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、食事から摂取した糖質をエネルギーに変える際の補酵素としての役割を持ちます。具体的にはエネルギー産生に不可欠なグルコース代謝やクエン酸回路、分岐アミノ酸の代謝などでの関与です。


可食部100gあたりに、赤色トマト0.05mg、赤色ミニトマト0.07mg、トマトジュース0.04mgとほぼ同じ量のビタミンB1が含まれています。

 

ビタミンC

ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、細胞を酸化ストレスから守ります。これらは老化や生活習慣病の予防に役立つ他、コラーゲンの生成を助けて皮膚や血管を健康に保ったり、植物性食品の鉄の吸収を促進したりします。さらに免疫機能向上などでも役立つほど多機能面が期待される栄養素です。


100gあたりのビタミンC含有量が多い順に並べると、赤色ミニトマト32mg、赤色トマト15mg、トマトジュース6mgとなります。

 

リコピン

リコピンは、トマトの鮮やかな赤色の色素成分でカロテノイドの一種です。非常に強力な抗酸化作用を持ち、生活習慣病の予防なども期待できます。トマトの可食部100gあたりに含まれるリコピンは3~5mgです。


リコピンは植物が紫外線などから身を守るために作り出す「フィトケミカル」の一種でもあります。詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

フィトケミカルとは何ですか?効果や含有する食品など

 

ペクチン

ペクチンは、トマトに含まれる水溶性食物繊維の一種です。血液中のコレステロール値を下げる働きや善玉菌のエサとなるプレバイオティクスとして腸内環境を整える働きなども報告されています。トマト100gあたりには1,000~1,200mgのペクチンが含まれています。


プレバイオティクスや善玉菌を指すプロバイオティクスについては以下の記事を参考にしてください。

プロバイオティクスとは?菌の特徴や含まれている食品をご紹介

 

GABA

GABA(ギャバ)は、γ(ガンマ)-アミノ酪酸というアミノ酸の一種です。血圧が上がるのを抑制する・精神を安定させるなどの働きが期待され注目を集めています。


トマトの含有量は品種や成熟度によって異なります。熟成した赤色よりも未熟な青色トマトの方がGABA含有量が高く、例えば桃太郎と言う品種では結実後日数33日で100gあたり134mg、35日で114.8mg、40日で78.6mg、42日で57.2mgです。ただし成熟度が高まるほどおいしくなるため必ずしもこの数値が推奨されるわけではありません。

 

トマトの栄養を効率良く摂る方法とメニュー紹介

“トマトのイメージ”

トマトに含まれるリコピンやビタミンなどの栄養素を効率良く摂るためには、調理にもコツが必要です。そこで手軽にできるいくつかのメニューを紹介します。

 

短時間で加熱する

トマトの代表的な栄養素であるリコピンは、生で食べるよりも加熱することで体内への吸収率が高まります。加熱によってトマトの細胞壁が壊れ、リコピンが放出されやすくなるためです。リコピン自体は熱に強い性質を持っています。


しかしトマトにはビタミンCやビタミンB1といった水溶性ビタミンも含まれており、これらは熱に弱いという特徴があります。これらの栄養素も無駄なく摂取するためには、加熱時間を短くするのがポイントです。


おすすめのメニューは、「トマトと豆腐のオリーブ炒め」。フライパンに油を引いて熱し、トマトと豆腐を軽く炒めてオリーブオイル・塩・こしょうして完成です。オリーブオイルの味にトマトの酸味がアクセントになります。


また「トマトときのこのスープ」は、短時間で火が通り、スープに流れ出た栄養も丸ごと摂取できるのが魅力です。味噌汁やすまし汁、洋風スープなど、ベースの味を変えるだけでバリエーションが広がります。これらは調理の時短になるだけでなく、トマトの甘みが増して食べやすくなるので子供向けにも最適です。

 

油と一緒に食べる

トマトのリコピンやβ-カロテンは脂溶性のため、油と一緒に摂取することで体内への吸収率が向上します。サラダにオイル入りのドレッシングをかけたり、炒め物や煮込み料理にオリーブオイルなどの植物性油を加えたりするだけで、これらの栄養素を効率良く摂れるでしょう。


おすすめは「トマトのガーリックオイル」です。フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、スライスしたトマトを加えて軽く焼きます。そのまま温サラダとして、たくさん作って保存すればパンにのせたりパスタの具材にしたりと使い勝手の良い一品の出来上がりです。


他にも「彩り野菜とトマトの香味だれ」は、刻んだトマトに香味野菜と昆布つゆ、ごま油を加えて揚げ焼きしたズッキーニやナスなどにかけます。風味豊かで爽やかな一品の完成です。

 

おいしく食べられるトマトの保存方法

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トマトの保存に適した温度は10℃前後とされており、冷蔵庫の中でも温度が低すぎるチルド室ではなく野菜室が適しています。


長持ちさせるには、トマトを1つずつキッチンペーパーで包み、傷みにくいヘタ側を下にしてポリ袋に入れましょう。この方法で約10日間の保存が可能です。まだ皮に青さが残る未熟なトマトは、15~25℃の常温で追熟させ赤く熟してから野菜室で保存するとおいしく食べられます。

 

栄養成分が多いトマトをおいしく効果的に食べよう!

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トマトは食物繊維の一種であるペクチンや強力な抗酸化作用を持つリコピンなど、私たちの健康を支える多くの栄養素を含んだ食品です。熱に強いリコピン、熱に弱いビタミンを効率よく摂取できるよう賢く調理し、体内への吸収率を高めるよう心がけましょう。


ただし、特定の栄養素を意識しすぎると栄養過多や栄養不足を招く可能性もあるため、トマトだけに頼らずバランスの良い食事も大切です。


サラダやグリル、パスタ、手作りケチャップなど、さまざまな料理を楽しめるのでぜひ食生活に取り入れてみてください。



【参考文献】

シリーズ くらしの最前線91 トマトのアミノ酸について 日本家政学会 参照年月日:2025年9月30日 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/63/11/63_745/_pdf

特定の野菜との加熱調理によるトマトリコピンの cis 異性化の促進 日本調理科学会 参照年月日:2025年9月30日  https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/52/2/52_57/_pdf

公式ホームページ 農林水産省 参照年月日:2025年10月3日 https://www.maff.go.jp/

公式ホームページ 独立行政法人 農畜産業振興機構 参照年月日:2025年10月3日 https://www.alic.go.jp/

公式ホームページ 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 参照年月日:2025年10月3日 https://hfnet.nibn.go.jp/

eJIN 厚生労働省 参照年月日:2025年10月3日 https://www.ejim.mhlw.go.jp/public/index.html

健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 厚生労働省 参照年月日:2025年10月3日 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-005

 

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