便秘の時に取りたい食べ物や控えるべき食べ物
便秘に悩む方は、日々の食事で腸内環境を整える工夫が重要です。本記事では便通をサポートする栄養成分を含む食品や、忙しい毎日でも生活に取り入れやすい方法を紹介します。日常の食事から腸の働きをサポートし、快腸な生活を送りましょう。
そもそも、便秘とは?

「便秘」とは病名ではなく、便が大腸内に滞ったりスムーズに排出できなかったりする状態を指す言葉です。慢性便秘症には、便が大腸に溜まり排便回数が少なくなる「排便回数減少型」と、直腸まで便が来ていてもすっきり出せない「排便困難型」があります。
毎日排便がないからと言って必ずしも便秘症とは限りません。週3回以上排便があり、硬い便や残便感、排便時の強いいきみなどがなければ診断基準上は便秘症に当てはまらない場合もあります。気になる症状が続く場合は医療機関で相談すると良いでしょう。
便秘の時に取りたい食べ物

便秘が気になる時は、日々の食事で食物繊維やフラクトオリゴ糖を多く含む食品を取り入れましょう。これらの成分を含む食べ物は穀類や野菜類、豆類、海藻類など幅広く、普段の食事に無理なく加えやすいです。具体的な食品と簡単な食べ方を紹介します。
なお、以下に記載する食品の成分値は全て「文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づいています。
食物繊維が多い食材
食物繊維は、ヒトの消化酵素では分解されずに小腸を通過し、大腸まで届く特徴をもつ成分です。たんぱく質や脂質などを吸着するため、便の体積増加の要因となります。この働きから、食物繊維の十分な摂取は便秘の予防に役立つとされています。
ここからは食物繊維を多く含む具体的な食品材を見ていきましょう。
オートミール
オートミールは燕麦(エンバク)の種子を加工して食べやすくした食品で、手軽に食物繊維を補える食材の一つです。食物繊維量は100gあたり9.4gと多く、朝食や間食として取り入れやすい点も魅力と言えるでしょう。
牛乳だけでなく、オーツミルクや豆乳と組み合わせると風味が出て食べやすく、飽きずに続けやすいかもしれません。オートミールの特徴について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
オートミールとは何か?カロリーや糖質など白米との違いを簡単に解説
食物繊維の多い食べ物の項目別ランキング!摂取するコツもご紹介
玄米
玄米は精白する前の米で、外皮や胚芽がそのまま残っているため食物繊維を多く含む点が特徴です。玄米(水稲穀粒)の食物繊維量は100gあたり3.0gで、精白米(水稲穀粒/うるち米)の0.5gと比べると大きな差があります。
とは言え、いきなりすべての白米を玄米に置き換えると食感に慣れず止める原因にもなるため、まずは白米:玄米=「8:2」や「7:3」など、少しずつ割合を変えて取り入れる方法がおすすめです。
こんにゃく
こんにゃく(板/精粉)は100gあたり2.2gの食物繊維を含む食材です。一般的に販売されている板こんにゃくに含まれる食物繊維の多くは「グルコマンナン」と呼ばれる不溶性食物繊維で、水に溶けない特性を持っています。不溶性食物繊維は保水性が高く、胃腸で吸水し膨らむことで便のカサを増やし、スムーズな排便を助ける働きが期待できます。
にんにくと一緒に焼き、ソースをかけて食べる「こんにゃくステーキ」にすると、簡単で満足感のある一品として取り入れやすいでしょう。詳しくは以下もご覧ください。
こんにゃくに栄養はないの?こんにゃくに含まれる栄養素の機能や効果的な食べ方
食物繊維の水溶性と不溶性の違いとは?食品に含まれる割合の一覧も
ケール
ケール(葉/生)は100gあたり3.7gの食物繊維を含む野菜です。やや苦味がありますが、バナナなどの果物と一緒にブレンダーにかければ、自家製の青汁として飲みやすく仕上がります。
普段の食事では摂りにくい栄養を補える点も魅力です。詳しく知りたい方は次の記事も参考にしてみてください。
ケールの魅力|種類や含有栄養素、味わい、青汁以外の食べ方などをご紹介
青汁を飲んでも効果ないの?栄養素とその効能、効果的な飲み方など
わかめ
わかめは、乾燥わかめ(素干し)100gあたり29.8gの食物繊維を含む食材です。汁物には乾燥したまま加えられるため、いつもの味噌汁にスプーン1杯ほど加えるだけで日常的に取り入れやすくなります。水戻ししてサラダに追加するのもおすすめです。
詳しい情報は、以下もぜひご覧ください。
おから
おからは大豆から豆腐を製造する際に生まれる副産物で、食物繊維を多く含む食材として知られています。特に乾燥おからは100gあたり43.6gもの食物繊維を含みます。
加熱済みの生おからや、スープや煮物のように水分の多い料理で使用する加熱済みの乾燥おからはそのまま料理に使えます。しかし、炒め物など水を介さない調理で加熱済みの乾燥おからを使用する場合は浸水して戻す必要があるのでお忘れなく。
日常的に取り入れたい場合は卯の花にしたり、ハンバーグや炒め物などにスプーン1杯ほど混ぜたりするだけでも手軽に活用できます。
以下の記事では大豆について詳しく解説しています。
大豆のたんぱく質ってすごい?含有量や種類、大豆食品や野菜などとの比較
チアシード
チアシードはチアと言うシソ科植物の種で、乾燥状態では100gあたり36.9gの食物繊維を含む食材です。乾燥のままでは硬いため、水に浸して戻してから使うのが一般的です。
戻したチアシードはヨーグルトやムースに混ぜるだけで簡単に取り入れられ、デザート感覚で続けやすいと言えるでしょう。詳しく知りたい方は以下もぜひ参考にしてください。
アサイー
アサイーは中央・南アメリカ原産のヤシ科植物の果実で、濃い紫色が特徴のスーパーフードとして知られています。アサイー(冷凍/無糖)100gあたり4.7gの食物繊維を含み、ヨーグルトに混ぜたりサラダのトッピングとして加えたりすれば、自然な風味のまま食物繊維を補えるでしょう。
次の記事では、アサイーに含まれる栄養素やおすすめの食べ方について紹介しています。
ローストアマニ
ローストアマニは「アマニ(亜麻仁)」と呼ばれる植物の種子を乾燥させ、焙煎して食べやすく加工した食品です。あまに(いり)100gあたり23.8gの食物繊維を含んでいます。
ちなみにこの種子を圧搾して抽出した油が、アマニオイルです。ある研究では血液透析を受けている患者さんにアマニオイル・オリーブオイル・ミネラルオイルを投与したところ、アマニオイルでは排便頻度や便の硬さのみに良い変化がみられたと報告されています。※ただし、誰にでも同じ効果が得られるものではなく、あくまで一部の研究による結果です。
ローストアマニは香ばしい風味が特徴で、サラダやピザのトッピングとして振りかけるだけで手軽に取り入れられます。ローストアマニについては以下もご覧ください。
フラクトオリゴ糖が多い食材
フラクトオリゴ糖は、小腸で吸収されず大腸まで届く素材の一つです。大腸にたどり着いた後、乳酸菌やビフィズス菌など善玉菌の栄養源として利用されます。善玉菌が活動しやすい環境が整うことで腸内のバランスが安定し、結果としてスムーズな排便リズムの維持に役立つとされています。
ここでは、フラクトオリゴ糖を含む代表的な食品をいくつか取り上げます。
玉ねぎ
玉ねぎにはフラクトオリゴ糖が含まれており、含有量は100gあたり0.23gです。生の場合はスライスして水にさらし、サラダに加えるだけでも手軽に摂取できます。加熱調理でも使いやすく、味噌汁や炒め物などいつもの料理に少量プラスするだけで続けやすい点が魅力です。
バナナ
バナナには100gあたり0.3gのフラクトオリゴ糖が含まれており、朝ごはんやおやつとしてそのまま食べやすい食材です。バナナを始めとする果物に含まれる栄養素については、次の記事で詳しく紹介しています。
その他
便秘が気になる方は食物繊維やフラクトオリゴ糖に加えて、納豆やオリーブオイルも日常に取り入れると良いでしょう。ここではそれぞれの食材が便秘に良いとされる理由や、無理なく続けられる上手な取り入れ方を紹介します。
納豆
納豆は大豆を納豆菌で発酵させて作られる食品です。納豆菌は腸内の善玉菌の餌となり、腸内環境を整えることで便秘が起こりにくい状態をサポートします。
そのまま食べるのはもちろん、キムチや豆腐と組み合わせるだけで手軽に一品が完成し、日常の食事に無理なく取り入れやすいのがポイントです。納豆の栄養や腸内環境を整えるのにおすすめの食べ物について知りたい方は、次の記事をご覧ください。
オリーブオイル
オリーブオイルは、前述と同様の血液透析を受けている患者さんを対象とした研究において、便秘の5つの症状に良い影響があったと報告されています。普段使っている調理用の油をオリーブオイルに置き換えるだけで、日常の食事に手軽に取り入れられるでしょう。
サラダや炒め物、ドレッシングとして使えば、自然に習慣化しやすくなります。オリーブオイルについての詳しい情報は以下も参考にしてください。
便秘の時に控えるべき食べ物

便秘が気になる場合は、腸内細菌のバランスを崩す原因の一つと考えられている高脂肪の食事を控えてみてください。脂質の多い肉類や揚げ物を減らしたり、肉類を調理する時は脂身を取り除いたりと言った工夫で、腸への負担を減らします。日常の調理や食事の選び方を意識することがポイントです。
便秘の悩みは食べ物で解消を!

便秘には食物繊維やフラクトオリゴ糖を含む穀類・野菜類・海藻類・豆類、さらに納豆やオリーブオイルなどを取り入れる食事がおすすめである一方で、脂質の多い肉類を控えるなどの工夫も大切です。
これらを意識して少しずつ取り入れることで、無理なく腸内環境を整えて、便通をサポートしていきましょう。
参考文献
食物繊維の必要性と健康 厚生労働省 参照年月日:2025年11月29日 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001
和食育 農林水産省 参照年月日:2025年11月29日 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/attach/pdf/index-177.pdf